【カイロ=大内清】エジプト北部ポートサイドで昨年2月、サッカー場の暴動で74人が死亡した事件で、首都カイロの裁判所は26日、暴動を主導したポートサイドの地元チームのサポーター21人に死刑を言い渡した。判決後、被告の親族や仲間らが21人の身柄を取り返そうと、拘置されているポートサイドの刑務所を襲撃、国営メディアによると警官2人を含む少なくとも22人が死亡し、200人以上が負傷した。 ポートサイドではこのほか、暴徒化した市民が警察署を焼き打ち。軍は部隊を派遣し市内の一部を外出禁止とした。暴徒は銃などで武装しているもようだ。ムバラク前政権崩壊後、顕著となっている当局の権威失墜や司法軽視の風潮が噴出した形で、反政府デモとも相まって、国内の社会不安を増長させている。 今回の裁判では、同チームの対戦相手だったカイロの人気チーム、アルアハリのファンらも抗議運動を展開し、暴動を阻止できなかった責任を問われ