4月24日に投開票が行われた統一地方選後半で注目の一つだった北海道夕張市長選は、30歳の元東京都職員、鈴木直道氏の当選で幕を閉じた。これまで東京都知事選や大阪府知事選など数々の選挙に立候補してきた青森県の元会社社長、羽柴秀吉氏(61)は、15回目の挑戦も実らなかった。この夜、夕張市清水沢の選挙事務所を訪ねると、羽柴氏がやけっぱちとも思える本音をぶちまけていた。(札幌支局 藤井克郎) 記者が羽柴事務所に着いたのは、まだ投票が締め切られていない午後7時すぎのことだった。後援会幹事長をはじめ20人ほどの支持者が詰めていたが、マスコミの数はテレビカメラが数台とそれほどでもない。とにかくNHKの腕章をつけた人が目立ち、支持者からも「何だ、NHKばっかりだな」との声が漏れる。 前回、夕張市が財政破綻した直後の4年前に立候補したときは、当選した藤倉肇氏に342票差の2988票で次点と大健闘した羽柴氏。今