米国の財政赤字問題は、少なくとも計算上はほぼ解決されている。 米議会の超党派委員会は今後わずか7週間で、債務上限引き上げを巡る8月の合意で決まった9170億ドルの歳出削減に加えて、さらに1兆5000億ドルの削減案を策定しなければならない。それができなければ、自動的に歳出削減が実施されることになる。 米国の財政を監督する議会予算局(CBO)が作成した予測によれば、そうした対策により、米国の財政赤字は現在の国内総生産(GDP)比9%から2015年までに同1%ほどにまで減少するという。これで問題解決、というわけだ。 もちろん、話はそこで終わらない。CBOの予測は、現行の法律に基づいて作成することが求められる。従ってこの予測はまず、ジョージ・ブッシュ前大統領が実施した減税が、予定通り2013年に終了することを前提としている。 楽観的な成長予想を前提としていいのか? だが、CBOはそのほかにも、あま