8月上旬に行われた王位戦(羽生善治王位―木村一基八段)第3局は、角換わり腰掛け銀の戦型から羽生の執拗な攻めを木村が懸命に受ける展開となりました。羽生の攻めはやや切れ筋でしたが、木村が王手馬取りの手を見落として苦しくしました。その後、木村は入玉(敵陣に玉が入ること)して「持将棋」(じしょうぎ)をめざしましたが、規定の点数に達するかどうか微妙な状況でした。しかし羽生も入玉した178手目の局面で、両対局者の合意によって持将棋が成立しました。 両者の玉がお互いに敵陣に入って詰まない状態となり、盤上の駒(玉は除く)と持ち駒の合計点数(大駒5点・小駒1点で換算)がともに24点以上ならば、持将棋が成立して引き分けとなります。一方が24点に達しないと負けです。 タイトル戦で同じ引き分けの「千日手」になった場合は、持ち時間を短縮してその場で指し直しをします。手数と時間がかかる持将棋になった場合は、1局分とみ