わたしの ばあさんは 「れーかん」が あるんだそうです。ほんにんが そう いっています。じぶんには ゆーれーが みえるんだ、と。わたしには 「れーかん」が ないので、かのじょに ほんとうに ゆーれーが みえているのかどうか、はんだんは できません。 わたしは けっきょく あうことが なかったのですが、その ばあさんの おねえさんも ゆーれーが みえる ひとだったと いいます。しんせきの ものたちが いうのは、葬式などで この ふたりが そろうと きみがわるくて かなわん、ということで ありました。ばあさんと その あねさんは 火葬場で そろって おなじ ところを みつめてたり するんだそうです。まわりのものには なんにも みえない 空(くう)の 一点を ふたりは じっと みつめている。わたしは そういう ばしょに いあわせることが なかったのですが、想像するに たしかに ちょっと ぶきみな