よみがえるマルクス? このごろ本屋に行くと、マルクスの本が目立つ。「大恐慌で資本主義が崩壊する」という彼の予言が実現したようにみえるからだろう。WIREDも"The New Socialism"という特集記事を書いている。しかしそれはマルクスが考えたような資本主義を倒して実現するシステムではなく、資本主義のできなかったことを可能にする補完的なシステムだ。 社会主義というと「国家による経済管理」というイメージが強いが、ここで筆者(ケヴィン・ケリー)が描いているのは「国家なき社会的生産システム」という意味でのソーシャリズムだ(マルクスが目標としていたのも「国家の死滅」だった)。私もかつてWIREDの日本版に「ドット・コミュニズム」という連載を書いたことがあるが、そういうシステムが私の予想を超えて広がっているようだ。 誰でも知っているのは、オープンソース・ソフトウェア(OSS)だろう。その元祖は