前回に取り上げた大槌町の「こども夢ハウスおおつち」にかかわっている岩手県北上市内の復元・納棺師笹原留似子(るいこ)さん(41)は、震災直後、被災地の三陸沿岸で、遺体を復元し、納棺するボランティア活動に奔走してきた。子どもたちの遊び場づくりは、子どもたちが復元の対象だったり、家族を亡くした子どもたちの悲しみを目の当たりにしたりしたことがきっかけだった。 私は、震災当時、朝日新聞北上支局の記者として、笹原さんの活動を知り、取材を続けてきた。笹原さんは300人以上の遺体の復元を手掛け、遺族と悲しみを分かち合ってきた。死者の尊厳、人間の尊厳といったものに光を当てた笹原さんの当時の活動を振り返り、2回にわたり報告したい。 笹原さんは札幌市で納棺師をし、2007年に両親が住む北上市に移り住んだ。株式会社「桜」を設立し、復元、納棺の仕事をする傍ら、岩手県内の福祉、医療関係者とともに、遺族の悲しみを癒すグ
「我が国ではがんで家族を失った遺族へのグリーフケア(悲嘆を癒すケア)がなかなか広がらない」―-。最愛の妻をがんで失った経験から、遺族へのケアの重要性を訴える垣添忠生氏(日本対がん協会会長)に、グリーフケアとグリーフワークについてうかがった。 私は2007年の大晦日に自宅で妻を看取りました。その年の3月に国立がんセンター(現・国立がん研究センター)総長を定年退職し名誉総長になったので、今後は2人であちこち旅行して好きな絵を描こうと思っていたのに、妻は旅立ってしまったのです。 私はがんの専門医として、たくさんの患者さんの生死に関わってきましたし、妻が治らないことも分かっていて覚悟はしていました。それでも、妻を失った悲しみと苦しみは想像を絶するものでした。 患者さんが生きている間は、家族はそのことで一生懸命ですし、医師や看護師は家族も含めてケアするようになってきています。しかし、多くの遺族は、患
中日新聞メディカルサイト「つなごう医療」は 2018年3月末をもって終了いたしました。 長らくご愛顧いただき、 ありがとうございました。 今後、中日新聞の医療関係記事は 中日Webの「医療」コーナー(http://www.chunichi.co.jp/article/feature/iryou/) でご覧ください。 中日新聞社
お坊さんとコラボ! “お寺から変わる社会”を描きたい。グリーフケアの原点として法事やお葬式を再発見する「Live On」 2012.06.19 杉本 恭子 杉本 恭子 みなさんは、お坊さんやお寺にどんなイメージを持っていますか? 近ごろ話題の「寺カフェ」や「お寺ライブ」で見かける若いお坊さんたちでしょうか。多くの人にとっては、やはりお葬式や法事で出会うお袈裟を着たお坊さんかもしれません。 「お葬式や法事」は、亡き人への思いに向き合う場。日本では、お葬式の後に7日ごとに49日までお参りをする「中陰」、亡くなった日から数えて100日目の「百ヶ日(卒哭忌、泣くことを卒業する日の意)」、一周忌と死者を思う時間を大切にしてきました。 自死遺児支援活動などを通して「グリーフケア」に携わる一般社団法人「Live on(リブオン)」代表の尾角光美さんは、お葬式や法事を「日本のグリーフケアの原点」として再発
エンディングデザインコンサルタント柴田典子のブログ。 葬儀に関わらず「賢い老い支度」として終活全般のお話もしています。 埼玉医大国際医療センターの中に「遺族外来」があります 名前の通り家族を亡くした遺族が受診できる処です 3つの機能があるそうです 1つめは、家族を亡くした悲しみ、亡くした人の思い出が語られる場 2つめは、患者さんの死後に生じる「トラブル対策」 3つめは、精神疾患の予防と早期発見・治療 家族を亡くし、自分でもおかしいと思うくらいに 心も体も不調になる人たちがいます 周囲にその様子を気にかけてくれる人たちがいると 悲嘆があっても、少しずつ乗り越えることができますが 今の世の中、家族も地域も必ずサポートできると訳ではありません 今まで医療は患者だけを診てきました 患者が亡くなると、患者は遺体となり 医師の手から離れます 死によって患者の家族には大きな、無限に近い悲嘆が与えられます
動物には自然に定められた寿命があるもの。とはいえ昨今の動物医療の進歩やペットフードの普及などでペットも長生きできる環境が整ってきた。それに伴い、飼い主が向き合わなければならなくなったのが、ペットの老いと“看取り”。ペットが末期の重い病気にかかったり、介護が必要になった際、つらい決断を迫られる飼い主が増えている。 兵藤動物病院(神奈川県横浜市)獣医師の兵藤哲夫さんは次のようにいう。 「まず、動物と人間は違うという認識を持ってほしい。人間には想像力がありますが、動物にはありません。動物が考えるのは、いま現在のことだけ。なぜケージの中に入れられて点滴をしなければならないのか、理解はできないのです。だから末期で余命いくばくもないのであれば、治療を打ち切り、自分の家で最期を迎えさせてあげたいと、ぼく個人は考えています」 一方、飼い主の心をサポートするグリーフ(悲嘆)ケアも重要と認識されはじめてきた。
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く