―― 尾崎豊やオウム真理教、「エヴァンゲリオン」まで縦横に使って、わたしたちが「自由」にどんなイメージを持ってきたかを分析する『自由に生きるとはどういうことか』。橋本さんは社会哲学者として、これまで「自由」について、かなり抽象的な議論をなさってきましたが、この本では一転してとても具体的ですね。 橋本 若者に語りかける言葉をもちたいという思いがありました。ですから、よく知られているサブカル的なネタや大衆文化を取り上げて、そこから少し深く自由について考えていくという仕掛けになっています。 少しだけ近い過去を振り返ってみましょう。東京オリンピックのころ、大松博文という女子バレーの監督の本が大ベストセラーになっています。 ―― 1964年の東京オリンピックで、金メダルを取った女子バレーボールチームの監督、「鬼の大松」ですね。 橋本 本の題名は『なせば成る』と『おれについてこい!』。タイトルそのまま
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