認知症の人は記憶障害に加え、暴言や妄想、徘徊(はいかい)などの症状が出ることがある。こうした周辺症状(BPSD)に対する薬物治療のガイドラインを七月、厚生労働省の研究班がまとめた。不適切な投薬で周辺症状がひどくなったり、歩行障害などの副作用が出たりして、生活の質が悪くなるケースが後を絶たないことが、指針作成の背景にある。 (佐橋大、山本真嗣) 周辺症状は、記憶や時間の感覚が失われることで起きたり、従来できていたことができなくなることへの不安や混乱などを背景に生じたりする。多くの場合、不安を受け止め、不適切な言動にも頭ごなしに怒らないなど、接し方を工夫すると軽減できる。