科学的または工学的な原理原則を理解することは大切だ。技術開発戦略の基礎は、科学的または工学的な原理原則が作る。原理原則を踏み外した技術戦略が成功することはない。 はるかに規模の小さい技術開発プロジェクトだが、私が40歳代前半に取り組んだ高速船開発の時もそうだった。 その頃、私は、空気浮上式や水中翼と浮体を組み合わせる方式は高速船のシステムとして原理原則を踏み外しているし、技術の大きなトレンドから外れていくものだという結論に達していた。だから、私は産学連携して、水中翼船と双胴船の開発プロジェクトに取り組んでいた。 ところが、運輸省(現、国土交通省)の主導する「テクノスーパーライナー」という国家プロジェクトでは、空気浮上式を実現化するAプロジェクトと、水中翼と浮体を組み合わせたFプロジェクトの2つが推進された(関連記事「涙ぐましい努力が報われない悲劇」。 原理原則から外れた国家プロジェクトの大