関東地方に、広範囲かつ甚大な被害をもたらした台風15号の被災地では、長引く停電との苦闘が今も続いている。 「電気も水道も来ない。何とかならないのかね」 千葉県山武市日向台の分譲住宅地で暮らす55歳の男性は、長引く「自宅避難生活」が限界に来ていると話す。男性が経営する鋼材販売店は停電で事業が再開できず、「仕事にならない」(同)という。 杉の木が道路をふさぎ、電線を寸断 停電の原因と見られる問題は自宅のすぐ近くにあった。坂を登ると杉の木が倒れて道路をふさぎ、電線を寸断していた。杉林の持ち主だという70代の男性に聞いてみると、「電力会社は調査に入っているようだけど、復旧工事はまだ始まっていない」と途方に暮れていた。 9月14日午後11時に東京電力が発表した「地区ごとの復旧に要する時間」によれば、山武市日向台では「100軒未満」が停電しており、復旧までに最大で2週間を要するという。前出の男性は「こ