<......しかし退職後の人生も長い。個人としていかに信用を高められるか、何を判断軸に人とのネットワークをつくればいいか。立命館アジア太平洋大学の出口学長に聞いた> 収束の気配がない新型コロナウイルス騒動は、期せずして「自分さえよければ」とばかりに利己的な行動に走る個人の存在を浮き彫りにし続けている。 マスクやトイレットペーパーの買い占めにとどまらず、他者が困っている状況に便乗して、それらを転売して利益を上げようとする者が後を絶たないというニュースに暗澹とした気持ちになった人も多いだろう。 かつて「自分さえよければ」という態度は一端の大人として恥ずかしいものであり、たとえ建前であっても「人のために」と動くことが美徳ではなかったか。 個人レベルでも、会社などの組織レベルでも、利己ばかりを追求していては人から信用を得られない。SDGsの推進など、世界的には以前に増して利他を重んじる傾向が強ま