安倍晋三首相との会談を終え、記者の質問に答える日本医師会の中川俊男会長=首相官邸で2020年7月2日午後6時29分、竹内幹撮影 日本医師会(日医)の中川俊男会長が、政府・与党に率直な物言いをする機会が増えている。多くは新型コロナウイルス感染症に関するものだが、関係者によると、菅義偉首相が緊急事態宣言の検討を表明する2日前には、首相に電話で「医療崩壊を防ぐには、感染者を減らす他に道はない」と新たな対応を促していた。日医会長選で「政府にモノを申す」姿勢をアピールし、初当選してから半年。就任当初は政府・与党とのパイプ作りを重視して持ち味の歯に衣(きぬ)着せぬ発言は影を潜めていたが、ここに来て存在感を増している。【原田啓之、矢澤秀範】 1月2日。中川氏が年始のあいさつをつづったメールを菅首相へ送信すると、まもなく電話がかかってきた。電話越しに首相はこう切り出した。「どうしたらいい?」 会長「一刻の