2月に起きたクーデターはミャンマーの主要産業・衣料品をつくる縫製業に打撃を与えている。縫製業は全輸出額の3割を占める最大の輸出産業だが、海外からの発注停止が続く。日本向けの商品をつくる工場では、従業員の半数以上を雇い止めにせざるを得ず、経営者は苦しい決断に涙を見せた。 ヤンゴンの中心部から北に車で30分ほどの場所にある縫製工場「TRI-SEA Garment Co., Ltd」。6月上旬、工場を訪れると10の生産ラインのうち、6つのラインが止まっていた。 「日本からの発注はすべて止まりました」 チョー・ウィン社長が説明する。 日本に輸出する妊婦向けの衣類 この記事の画像(5枚) この工場は、製造する衣類の9割が日本向けの商品だ。主に妊婦用のワンピースやパジャマなどを生産している。日本の取引先はクーデターの混乱による納期の遅れや政情の不安定さを懸念して発注をすべて停止したという。今は国内向け