2014年12月30日09:54 カテゴリ経済 GDPからGNIへ 今年はアベノミクスで大騒ぎしたあげく、マイナス成長に終わりそうだ。安倍政権は「賃上げ要請」とかバカなことをやっているが、それよりプラス成長に変える方法がある。GEPRにも書いたことだが、経済規模をGDP(国内総生産)ではなくGNI(国民総所得)でみればいいのだ。 GNIは昔、使われていたGNPと同じ数字(所得側から見たもの)で、GDP+海外収益と考えてよい。たとえば電機メーカーが国内で年間50億円の利益を上げていた液晶の工場をを台湾に移し、100億円の配当を本社に払うとすると、日本のGDPは50億円下がるがGNIは50億円上がる。逆に台湾のメーカーが日本の工場で上げた利益は、GNIにはカウントされない。 つまりグローバル化が進むとGNI-GDPは大きくなる。図のように、この20年、実質GNIは一貫してGDPを上回り、その差
2012年末の総選挙で、自民党の安倍晋三総裁が「輪転機をぐるぐる回して日本銀行に無制限にお札を刷ってもらう」と宣言したことが、アベノミクスと呼ばれる経済政策の原点だった。彼によれば、日銀がお札を刷れば日本経済は「デフレ脱却」し、経済は一挙に回復するはずだった。 それから2年たち、日本経済は改善したのだろうか。11月のコアCPI(生鮮食品を除く消費者物価指数)上昇率は0.7%と10月より0.2%下がり、日銀が目標としている2015年3月にはゼロに近づくだろう。貿易赤字は史上最大を記録し、2014年度の実質成長率はマイナスになる見通しだ。何が間違っていたのだろうか? アベノミクスの目的は円安誘導による「日本売り」 2年前に安倍氏が経済を理解していたとは思えないが、側近にはリフレ派と呼ばれる奇妙な経済理論を信じる人々がいた。それに乗って彼は「デフレ脱却議員連盟」の会長になり、リフレを政策の看板に
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