インドの夏は昔から暑かった。いよいよ、その暑さは人間の生存の限界を試す域に近づいている。 世界で最も人口の多いインドではここ数週間、全国的に気温が上昇。中部でのイベントで十数人が死亡し、数千人が熱射病の症状で病院に押し寄せた。何百もの学校が休校となり、気温はまだ上がり続けている。 少なくとも短期的には、最も即効性のある解決策がありがたいことに手の届く価格で存在する。インドや中国、インドネシア、フィリピンなど所得と気温の両方が上昇している市場ではエアコン需要が急増。ある試算では、2020年代末までに全世界でエアコンが10億台増える見込みで、市場は40年より前にほぼ倍増が予想されている。 エアコンは公共衛生と経済活動という尺度で見れば良いものだが、気候問題にはマイナスであることは疑いがない。エアコンに使われる最も環境負荷の大きい冷媒を段階的に削減する世界的な合意により、最も必要とする多くの人々