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ブックマーク / brevis.exblog.jp (83)

  • リーダーは愛されるより、恐れられるべきか | タイム・コンサルタントの日誌から

    C・N・パーキンソンといえば、かつてベストセラー『パーキンソンの法則』 で、一世を風靡した経営学者だ。元はアカデミックな歴史学者だったが、行政組織の研究に転じ、「役人の数は仕事の量にかかわらず、一定の率で増えていく」と言う法則性を示して有名になった。社会における矛盾を、思いもよらない角度から、機知に富んだ文体で描き、読んでいて非常に面白い。 わが国に紹介された3冊目の『パーキンソンの成功法則』(原題:In-laws and Outlaws)は、彼が明確に経営論に踏み出す意図をもって、それもアメリカ流の経営学を意識して書いただ。とは言え、読んでいると時々、英国風のエピソードが出てきて、いかにもと思ってしまう。 書は、読者(「君」)を架空の主人公にして、企業で下から上に出世し、上り詰めていくストーリーを骨格に持っている。日版には「はだかの経営学」とサブタイトルがつけられているが、ウィッ

    リーダーは愛されるより、恐れられるべきか | タイム・コンサルタントの日誌から
    a1ot
    a1ot 2023/11/03
    “冷酷になるのは簡単。難しいのは、非情でありながら、頼られるリーダーになること。信頼され・頼られなければ、平時の組織は動かせない。ましてイノベーションなど、恐れだけが支配する組織には生まれない”
  • 乱世にこそ、フェアネス(公正さ)の感覚が必要となる | タイム・コンサルタントの日誌から

    1985年5月。カリフォルニアにあるアップル社では、緊急の役員会が開かれていた。その前年、社運をかけて開発し発売した新製品Macintoshの、販売不振による経営悪化の責任を問うて、CEOのJ・スカリーが、創業者であるスティーブ・ジョブズから、経営権限を剥奪する動議を出したのだ。 周知の通りスカリーは元々、ジョブズがペプシコーラからスカウトしてきた経営のプロだ。だが、会社が傾きつつある中、2人の間の確執が強まる。そしてジョブズは、スカリーの中国出張の間にクーデターを起こし、彼を追放しようとした。しかしスカリーはジョブズの計画をつかんで、逆に緊急の役員会を招集し、役員達に彼とジョブズのどちらを選ぶのか、選択を迫った。

    乱世にこそ、フェアネス(公正さ)の感覚が必要となる | タイム・コンサルタントの日誌から
    a1ot
    a1ot 2023/10/23
    “自分の作ったベンチャー企業から追い出されたくなかったら、部下にも協力先にもフェアでなければならない。フェアネスが単なる建前論だという考え方こそ、じつは太平ボケの典型なのではないだろうか?”
  • 言葉の二重の壁を乗り越える | タイム・コンサルタントの日誌から

    拙著「世界を動かすプロジェクトマネジメントの教科書」https://amzn.to/3ZTfx8g にも書いたことだが、自分が海外プロジェクト部門に出たのは、39歳の時だった。それまでは主に国内向け業務の部門におり、半分はIT系の、残り半分は新規分野の事業開発的な仕事をしていた。しかし「このままでは、せっかくエンジニアリング会社にいるのに、流であるプラント系の海外プロジェクトを知らないままになる」と、自分のキャリアに危機感を抱くようになり、思い切って手を上げ、全く未経験の部門に移ったのだった。翌年は不惑。遅すぎるかもしれないとの不安をいだきつつの決心だった。 移った先では、すぐにプロジェクト・チームに配属された。英国・米国と自社の3社ジョイント・ベンチャーで、ある中東の大型LNGプラント案件の基設計と見積を行っていた。右も左もわからないど素人が、プロジェクトの真っ只中に放り込まれたのだ

    言葉の二重の壁を乗り越える | タイム・コンサルタントの日誌から
    a1ot
    a1ot 2023/10/15
    “言葉の壁の向こうには、もっと高くそびえる壁がある。それは思考習慣の違い、という壁。わたし達に本当に必要なのは、発音やリスニングの訓練ではない。思考習慣の方のトレーニング”
  • 書評:「世界史とつなげて学ぶ 中国全史」岡本隆司・著 | タイム・コンサルタントの日誌から

    世界史をモデリングするーーシステム分析家やシステム・モデラーだったら、そういう課題に挑戦したいと思うかもしれない。そうでなくても、中国という隣国の成り立ちと行く末について、俯瞰的な立場から考えてみたいと感じる人は少なくあるまい。そういう人におすすめなのが、書である。 著者は大学の先生で、歴史学者である。ふつうプロの学者というと、実証的で専門的な、ある意味で重箱の隅をつつくような、分野に特化した人を思う。分析的な、細かく分けて識別していくタイプの知的専門家だ。だが著者はまったく逆である。この人は、モデリングの人なのだ。 著者のアプローチは、梅棹忠夫の「文明の生態史観」などに通じる。事実、冒頭の章で梅棹の文明的な地域区分の図が出てくる。ユーラシア大陸を、ざっくり東西に伸びた楕円形に模して、その中心を斜めに走る砂漠と周囲の乾燥地帯、そして両端のより湿潤な地域に区分した図である。乾燥地帯には遊牧

    書評:「世界史とつなげて学ぶ 中国全史」岡本隆司・著 | タイム・コンサルタントの日誌から
    a1ot
    a1ot 2023/07/23
    “15世紀以後は大航海時代になり、東西のシルクロードの重要性が失われていく。かわりに出てきたのは、貿易で豊かな沿岸地域と内陸農業地域の格差、東西格差だ。これが現代中国にまで、難題として残っている”
  • 高度人財の価値をはかるには | タイム・コンサルタントの日誌から

    先日のエントリ「物流は当に付加価値がない業務なのか」 (2023-06-04)でも書いたことだが、国交省は「高度物流人材」の育成策を講じている。わたし自身も昨年度から、日ロジスティクスシステム協会の「ストラテジックSCMコース」の講師をお手伝いすることになったので、少しばかり身近に感じる立場である。 ただ、そこにも書いた通り、物流業務はふつう、付加価値を生まない業務として低く見られている。理由は、モノを保管したり需要地に移したりしても、会計上は価値が変わらないことになっているからだ。モノの価値は、その市場価格によって客観的に決まる。産地の米を消費地に移しても、価値が変わるわけではない。むしろ原価が上がるだけ。これが会計学の主流の考え方だ。 これに対して、同じモノでも、需要に近いほうが価値が高い(在庫毀損のリスクが小さい)と考えれば、物流にも付加価値が生じてくる。これがわたしの考え方だが

    高度人財の価値をはかるには | タイム・コンサルタントの日誌から
    a1ot
    a1ot 2023/06/26
    “企業が不況で教育投資を手放した結果、どうなったか。あらゆる種類のスキルや技術が、どの業種どの会社でも役に立つ形に、まとめられるようになった。こうなると、採用も楽だが離職も楽になる”
  • トランスフォーメーション(変革)を可能にするために | タイム・コンサルタントの日誌から

    去年の2月上旬頃だったが、ある証券会社の営業マンの訪問を受けた。もちろん金融商品の売り込みに来た訳だ。ちょうどそのころ、クルーズ船ダイヤモンド・プリンセス号が3700人の乗客を乗せたまま、横浜港の外に釘付けになっていた。わたしは、武漢で発生したウィルス危機は中国の外にも広がって、国際的に経済の問題をひき起こすのではないかと、懸念を口にした。すると、くだんの営業マン氏は笑って、「NYダウは史上最高値ですよ」と答えた。 わたしは結局、彼のすすめる商品には手を出さなかった。2月下旬を過ぎ、3月に入ると欧州に都市封鎖(ロックダウン)が広がり、経済的影響は明らかだった。株価は下がり、いろいろなところに損失が出た。航空分野を筆頭に、飲・サービス業など多くの分野の企業業績が低迷した。やれやれ、言わんこっちゃないと、わたしは内心考えた。

    トランスフォーメーション(変革)を可能にするために | タイム・コンサルタントの日誌から
    a1ot
    a1ot 2021/01/12
    “今月出された緊急事態宣言、都市封鎖(ロックダウン)それ自体は、感染症対策ではない。それは「時間稼ぎ」なのである。何の時間を稼いでいるかというと、本来は救命に向けた医療体制を整備するため”
  • サービス経済から、ふたたび実物経済の時代へ | タイム・コンサルタントの日誌から

    「私のプロファイル」 にも書いているとおり、ここ数年は勤務先での中長期的なIT戦略の立案と遂行に、たずさわっている。世の中は少し前からDigital Transformation、略してDXというバズワードが席巻しており、わたしのような者のところにも、戦略コンサルやらITベンダーが入れ代わり立ち代わりやってきては、DXの話をしてくれる。何事も勉強と思い、ありがたく拝聴させてもらっているが、だんだん耳にタコができたような気がしてきた。だって、皆が同じ話をするのだ。 その最大のキーワードは、経済の『サービス化』である。サービタイゼーション(Servitization)という、あまり聞き慣れない英語もついている。これまでの世の中は、せっせとモノを作っては売る、物の経済の時代であった。しかしその時代は終わりを告げ、いまやサービスを中心としたソフトなビジネス・モデルに転換すべき時である。そう、来客の

    サービス経済から、ふたたび実物経済の時代へ | タイム・コンサルタントの日誌から
    a1ot
    a1ot 2020/04/24
    “サービスは「同時性」(リアルタイム性)という特性。誰にとっても時間は有限。1日は24時間しかない。サービスは在庫できない。リーン(在庫最小)でグローバルに伸び切ったサプライチェーンの、脆弱性が明らかに”
  • 感情のマネジメントとは、どういう事を指すのか | タイム・コンサルタントの日誌から

    夜中に目が覚めて、しばらく眠れなくなった。仕事の多忙で、身体は疲れているはずだ。なのに、うまく眠れないまま、いつの間にか、ある問題状況について考え始めていた。最近起きた、ひどくイライラするトラブルだ。おかげで頭がさえて、さらに眠りから遠ざかってしまう。「夜中にそんな事を考えても、仕方がない」−−そう自分に言い聞かせてみたが、心はまたその悩みに戻って行く。そして堂々巡りの思考の中で、休息すべき時間が失われてしまう・・ こういう経験をしたことがない人は、うらやましい。働いていて悩みが全くない人は、滅多にいないだろうが、悩みに煩わされる程度は、人によって違うようにも思える。夜中に目がさえるような時は、起きている間も、いつの間にかその問題を考え続けている。ただ、考えるといっても、たいていは同じ場所を巡っているだけで、出口の見つからないことが多い。つまり、脳の中のある部分がずっとループしたまま回り続

    感情のマネジメントとは、どういう事を指すのか | タイム・コンサルタントの日誌から
  • マネジメント的な認知症を防ぐ | タイム・コンサルタントの日誌から

    何年か前、まだ肌寒い季節の夕方のことだったと記憶している。車で隣町を移動していると、ふと、助手席にいた連れ合いが、道端を指さして、「あの女の人、さっきもあのあたりを歩いていなかった?」といった。見ると、高齢の女性がぼんやりした様子で立っていたが、パジャマのような衣類の上に、薄いカーディガンを羽織っているだけで、足元はスリッパだった。 わたし達は車を止めて、その女性に声をかけてみることにした。すると、こちらが何か言う前に、女性の方から「あの、○○さんの車じゃありません?」と問いかけられた。

    マネジメント的な認知症を防ぐ | タイム・コンサルタントの日誌から
  • シンプル化のすすめ | タイム・コンサルタントの日誌から

    最近、勤務先のPCの環境を移行・再構築せざるを得ない機会があった。まあ、一種のお引越である。面倒な作業だが、このチャンスに、少しファイルやアプリの整理をはかろうと思った。PCを数年間も使っていると、いつのまにか、ローカル環境にも、不要なもの、使わなくなったものが溜まってくる。引越は、ゴミ捨ての良い機会でもある。よし、デスクトップもクリーンにしよう。自分の環境は、できる限りシンプルにしよう。そう、考えている。 わたしは元々、整理整頓・お片付けがそれほど得意ではない。机の上は、ほっとくとすぐ乱雑になってしまう。読んだりファイルしたりしなければならぬ書類が、どんどん積み上がっていく。そのあげく、書類探しで余計な時間を費やすことになる。忙しいから書類整理の時間がとれない、と自分では思っているのだが、その結果、生産性が下がって、さらに自分を忙しくしているのだ。こういうことを何年間も繰り返し、さすがに

    シンプル化のすすめ | タイム・コンサルタントの日誌から
  • わたしはなぜ、「プロジェクト管理」という言葉を使わないのか | タイム・コンサルタントの日誌から

    旅先ではいつも、その土地のものをべるのが習慣だ。だが、ときおり、外国で日料理屋に入ることもある。そして、たまに面らうような体験もする。いつだったか、アメリカの日料理屋で事を頼んだら、まっさきに味噌汁だけが出てきた。ふつうの街にある店で、来客はアメリカ人が多い。どうやら彼らの概念では、味噌汁はスープだから(Miso soupとよばれる)、真っ先に出すのが当然だということらしい。味噌汁を飲み終えたら、メインのおかずとご飯が出てきて、妙な気分だった。 汁物をsoupと訳するのは、もちろん正しい訳だ。だが日語で言う汁物と、英語スープは微妙に違う。たとえば英語では、スープべる(eat)という。日人で、「味噌汁をべる」という人は滅多にいるまい。ふつうは飲む、を使う。そして、当たり前だが、ご飯と一緒にいただくものだ。

    わたしはなぜ、「プロジェクト管理」という言葉を使わないのか | タイム・コンサルタントの日誌から
  • プロジェクト計画のロジックとは何か 〜 やはりExcelで工程表を書いてはいけない (2) | タイム・コンサルタントの日誌から

    前回の記事「ダイレクト・ガントチャート方式の問題点」http://brevis.exblog.jp/26231556/ で、世間ではそもそも「WBS」とか「Activity」という概念のレベルで、誤解や混乱があると書いた。 たとえば、WBS=「ガントチャートの線表に引いた線の集合」だ、と理解している人達を、よく見かける。ためしにネットで、「WBS スケジュール」の2キーワードで検索をかけてみると、よくわかる。上位の検索結果に、こういう説明が出てきたりする:

    プロジェクト計画のロジックとは何か 〜 やはりExcelで工程表を書いてはいけない (2) | タイム・コンサルタントの日誌から
  • PMの世界はどこに向かうのか 〜 PMI世界大会2017に参加して | タイム・コンサルタントの日誌から

    米国で10月28日から30日まで開催された、PMI Global Conference 2017 https://www.pmi.org/global-conference/about というカンファレンスに参加してきた。PMIはProject Management Instituteの略で、ご存知の方も多いと思うが、米国発・世界最大のプロジェクトマネジメント専門職団体である。全世界に40万人以上の会員を擁し、通称「PMBOK Guide」(正式名称"A Guide to Project Management Body of Knowledge")と呼ばれるPMの標準書を制定、さらにProject Management Professional(略称PMP)という資格試験認定制度を有している。世界で最も影響力の大きなPM関連団体だ。 そのPMI Global Conference(長いので

    PMの世界はどこに向かうのか 〜 PMI世界大会2017に参加して | タイム・コンサルタントの日誌から
    a1ot
    a1ot 2017/11/03
    “米国では「行動科学」「社会心理学」などの流派の心理学がけっこう旺盛。それは最近の「行動経済学」などにもつながっているし、経営学にも取り入れられている。その影響がPM分野にも、かなり流れ込んでいる”
  • マネジメント・テクノロジーを考える場にようこそ | タイム・コンサルタントの日誌から

    新サイトの目的は、マネジメント・テクノロジーのための情報源とすることである。そのために、2000年4月からずっと開設運営してきたわたしのサイト「革新的生産スケジューリング入門」のコンテンツを、全面的に移行した。SCM・BOM・PMITなどに関わる数百の記事がある。これに加えて、個人的に書いてきた「気まぐれ批評集」なども移してある。 このサイトは、近いうちに、マネジメント・テクノロジーを学ぶコミュニティのためのプラットフォームとして、拡張していきたい。現在、わたしが主宰している『プロジェクト&プログラム・アナリシス研究部会』の「PM教育分科会」では、世に類例のない新しいタイプのPMトレーニングを開発中である。これに関連するフォーラムや、e-Learningなどを今後、立ち上げたいと考えている。とはいえ、こちらはまだ構想段階なので、現時点ではわたしの個人コンテンツ集の体裁になっている。

    マネジメント・テクノロジーを考える場にようこそ | タイム・コンサルタントの日誌から
  • 能力評価のレベル0からレベル2まで 〜 組織を作る概念のシステムとは何か | タイム・コンサルタントの日誌から

    生まれて初めて乗った飛行機は、アエロフロートだった。大学院の修士課程をでる前の3月、わたしは一人で卒業旅行にでかけた。まだ旧ソ連の時代だ。旅行の行き先はドイツスペイン、そして英国。モスクワ経由でフランクフルトに向かい、ドイツ中部の家々の屋根の色を見下ろしたときの印象は、今でも鮮明だ。ドイツでは父の元・部下で、当時フランクフルト近郊の現地法人で働いていたNさんに、いろいろとお世話になった。スペインでは、マドリードにあった父の会社の取引先の方が一緒に夜、事をしてくださった。今考えると、いくら取引先のキーマンの息子だとは言っても、取るに足りぬ生意気な若造のお相手をしてくれた訳だ。まことに頭が下がる。 行く先々で聞かれた質問が一つあった。「なぜ、お父さんの会社に行かないのですか?」という質問だ。ドイツでもスペインでも現地の人に聞かれた。わたしにはむしろ、「へえー、ヨーロッパ人って、そういう考え

    能力評価のレベル0からレベル2まで 〜 組織を作る概念のシステムとは何か | タイム・コンサルタントの日誌から
    a1ot
    a1ot 2017/10/08
    “いくら能力に応じて人を配しても、そして教育の場をつくっても、リーダーが全て自分で決めるような組織では、部下の能力が活かされず生産性が下がるであろう”
  • 人材配置・昇進のレベル0からレベル2まで | タイム・コンサルタントの日誌から

    わたしが主宰する『プロジェクト&プログラム・アナリシス研究部会』では先日、「プロジェクト・マネジメントの1日研修トライアル」という催しを開いた。これは、わたし達の研究部会の中にある「PM教育分科会」というグループが、オリジナルに開発中の研修プログラムについて、希望者を募って“βテスト”を実施したものである。参加者がいるか心配だったが、幸いにも10数名の方が申し込まれ、休日を丸一日つかってわたし達の研修プログラムを体験し、有用性を検証していただいた。 その内容はまだ開発中のため、ここで詳しくは述べないが、社会人向けの、初中級者レベルのコースとして設計したものだ。もちろん世の中には、すでに多数のPM研修がある。だが、その多くはPMBOK Guideなどの知識を座学で学ぶ、資格試験対策である。あるいは逆に、ケーススタディの討議中心で、しばしばプロジェクトの火消しなどの題材を扱っている。だが、そも

    人材配置・昇進のレベル0からレベル2まで | タイム・コンサルタントの日誌から
    a1ot
    a1ot 2017/10/01
    “ボーナスの査定と昇進は、一緒のモノサシで測ってはいけない。会社に利益をもたらした者には金銭的に報いる。昇進は別。人事制度に成熟度が求められる。マネジメント能力は、短期的な成果だけで測ってはいけない”
  • マネジメントのレベル0からレベル2まで | タイム・コンサルタントの日誌から

    九州・佐賀県の唐津市。玄界灘に面した市のはずれに、名護屋という場所がある。Google Mapの航空写真で見ると、緑の多い、人家の少ないのどかな土地だ。かつてここに、一里四方の広さを持ち、10万人以上が居住する一大都市が、ごく短期間だが存在していたことを知る人は少ない。 その都市をつくるよう命じたのは、太閤秀吉である。彼が晩年、大陸支配をねらった戦争(後に文禄の役とよばれることになる)をはじめるにあたり、出陣の基地としてこの名護屋港を選んだのだ。彼は全国の諸侯・武将に、この辺鄙な港へ集結し、各人の負担をもって、都の聚楽第に遜色がないほど豪壮な城と館を築くよう言い渡した。そして数万の人力を投入し、半年ほどの短期間のうちに完成させた。 全国の大名武将たちは、たとえ些細な手落ちでも関白に訴えられ、無能者として俸禄を没収されかねないので、「自ら家臣を率いて森や遠方の山に出かけ、材木を切ったり、城壁

    マネジメントのレベル0からレベル2まで | タイム・コンサルタントの日誌から
    a1ot
    a1ot 2017/09/23
    “組織に位階があるのは、意思決定のために必要な情報収集の完全性と、そのコストのバランスをとるため。組織は、決定を分散させることによって、市場と同様、情報の需要を局所化し最小化することができる”
  • すべての工場は空調を付けるべきである | タイム・コンサルタントの日誌から

    前にも書いたような気がするが、冷房が苦手である。20代の終わりころ、南国で冷房病にかかった。以来、冷たい人工の風にあたり続けると、次第に首肩の筋が緊張し、頭痛がする体質になってしまった。電車は、だから弱冷房の車両を探して乗る。職場でも、なるべく冷房の風があたらない席をありがたがる。 この数日間、台湾で休暇を過ごした。街は活気にあふれ、見どころも多く、事も美味しい。とても良い所だと思ったが、一点、どこでも冷房がきついのには閉口した。盛夏は過ぎたとはいえ、日中の気温が34℃にもなるこの時季、むろん冷房なしで客を迎えるなどありえない。 それは分かるのだが、蒸し暑い陽当たりを汗だくになって歩いた後、冷房の効いた建物や乗り物に入ると、汗が急冷されて、体温のフィードバックコントロール系が混乱していくのを実感する。防護のために上着を持っているが、そんな物では追いつかない近代技術の暴力である。一日出歩く

    すべての工場は空調を付けるべきである | タイム・コンサルタントの日誌から
  • IoT時代のMESをもう一度考え直す 〜 (1) MES普及を妨げたもの | タイム・コンサルタントの日誌から

    2000年に、中村実氏ら何人かと共著で『MES入門―ERP、SCMの世界と生産現場を結ぶ情報システム』を上梓した。わたしが担当したのは第3章「MESを中核とした垂直統合 -プロセス産業のケース-」というセクションだ。製造業、それも製造現場の情報システム化という地味なテーマのだったが、一応、それなりの評価を得た。類書が少なかったせいもあるだろう。いまでも、あのを読みましたよ、という方から声をかけられたりする。 ここで一応、MESとは何かについて、おさらいをしておこう。何年か前に、その名も「MESとは何か」という記事も書いたが、MESとはManufacturing Execution Systemの略で、日語では「製造実行システム」とも訳される。だが、普通は「製造管理システム」とよんだり、あるいは略称のままMES(メス)ということも多い(ただし英語ではエム・イー・エスとスペルアウトして読

    IoT時代のMESをもう一度考え直す 〜 (1) MES普及を妨げたもの | タイム・コンサルタントの日誌から
    a1ot
    a1ot 2017/08/21
  • 見えない非効率 ー 今、動いているんだからいいじゃないか | タイム・コンサルタントの日誌から

    新任の取締役が、あるとき担当する事業部の支社を見に行った。一通り見学し、支社長らと懇談した後、かえろうとしたら、ある部署だけ灯りがついているのを見つけた。現場仕事はもう終業しているのに、管理部門の1セクションだけ、忙しそうに机にむかって仕事している。 「何をしているの?」と彼がたずねたところ、「社に送る書類を作成しているんですよ。毎月、数字をまとめて送らなけりゃいけないんで、残業になるんです。」との答えだ。資料を見て、さらにたずねる。「社は、この統計資料を見てどう役立てるんだろう?」「・・存じません。社にたずねてください。」 その取締役は社に戻ると、早速、送付先の企画部門にいって、その書類のことをきいてみる。すると、「ああ、その書類ですか。工場が毎月送ってくるんでね、ファイルして保管しているだけです」という。「でも、なんで工場はその書類を送ってくるのかな?」「さあ・・。」 いろいろ

    見えない非効率 ー 今、動いているんだからいいじゃないか | タイム・コンサルタントの日誌から