筆者が小学校低学年くらいに手に取った子ども向けの乗り物図鑑に、未来の乗り物が未来都市のイメージと共に描かれていた。超高層ビルの間を縫うように、流線形のリニアモーターカーやガラスのカプセルのような形の自動車が走り、自動車の中では、ピクニックのように家族で食事をしている様子が描かれていた。どのくらい先の将来をイメージして描いたものか分からないが、将来は自動運転でどこにでも行けるようになるという説明があった。 筆者がこれを眼にしたのは第1次オイルショックの直後くらいだと思うが、この絵は、1964年の東海道新幹線の開通と東京オリンピックの開催、その後のモータリゼーションの進展という高度経済成長期の雰囲気を、如実に反映して描かれたのではないかと思う。何故なら、その時代背景にあったであろう未来に対するワクワク感を感じながらその絵を眺めていた気がするからである。 先日、日本の大手自動車メーカーが、自動運
トヨタ自動車の豊田章男社長はシーテックの会場でライバル日産自動車の「自動運転車」に実車した=1日、千葉市美浜区の幕張メッセ(写真:フジサンケイビジネスアイ) 電気自動車(EV)に代表される電動車両が、交通事故や渋滞を防ぐ安全な交通インフラ構築に向け動き出している。日産自動車は、人が運転操作をしなくても自走する「自動運転車」を2020年までに、「手頃な値段」(日産幹部)で発売する計画を打ち出した。試作車は、EV「リーフ」がベース。 車の運転には、(1)認知(2)判断(3)操作−と3つのステップがある。人によるこの一連の動きをICT(情報通信技術)活用で知能化させた車に担わせていく。危険をセンサーが認知するスピードなどで、「3ステップとも、人の100倍の能力を車は潜在的には有している。車が人の能力を補完する形」(松村基宏・日産自動車執行役員)と話す。 筆者は最近、カリフォルニア州に設けられ
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