<要約・概要> 我が国では更なる高齢者および要介護者の増加が見込まれる中、ヘルスケアリートには、その成長を通じて優良な高齢者住宅の供給促進が期待されているが、上場から期が浅いこともあり、その成長は期待ほどには進んでいない。その要因の一つに、高齢者住宅のテナントであり介護サービス等を提供するオペレーターの意向を反映し、その多くが個人所有物件となっており、これらの物件とヘルスケアリートの投資対象基準とがミスマッチしていることが挙げられる。 ヘルスケアリートの成長や、その結果として優良な高齢者住宅を供給するためには、①ヘルスケアリート主導の開発・取得、②更新投資を契機とした個人所有物件の取得、③開設初期段階での中小オペレーターへのアセットファイナンス、等の方策が望まれる。