【高橋洋一・株式会社政策工房 代表取締役会長】 先般の大塚家具の父娘のバトルでは驚いたことが多かった。その一つに、上場会社なのに同族会社のような株主構成だ。日本では、上場は一種の社会ステータスを獲得するために行うことが多く、大塚家具のような事実上同族会社であっても、上場されているところは少なくない。 これほどの極端な同族会社とはいわないまでも、日本では安定株主が多く、浮動株主が少ない。これは、コーポレートガバナンスの上でも問題ではないだろうか。こうした株主構造では、客観的な財務諸表分析はあまり重要視されないで、内輪のロジックが優先しがちであろう。 日本のか浮動株主比率は、先進国の中では高いほうとはいえない。アメリカ、イギリス、スイス、オーストラリアなどの市場は、浮動株主比率が9割程度もあって、開かれた市場である。一方、中国などの新興国は、上場していても政府や関連会社が大株主となっており、浮