<ネタニヤフ長期政権もついに終わりか。だが政権打倒のみで結束した「呉越同舟」の船出は前途多難。5月30日のテレビ演説でナフタリ・ベネットが態度を一変させ、事態は急展開した> 「政権は私の手中にある」。イスラエルの野党指導者ヤイル・ラピドが正式にそう述べたのは6月2日のこと。順調にいけば、通算15年に及ぶベンヤミン・ネタニヤフ首相の支配がついに終わり、ラピドの言葉を借りれば、このユダヤ人の国に「新時代」が訪れることになる。 議会での信任投票までには日があるが、1人の脱落者も出なければ政権交代は起こるだろう。ただし主義も主張も異なる8つの政党が手を組んで、辛うじて議席の過半数を超えているにすぎない。彼らの共通の目標はただ一つ。ネタニヤフ政権の打倒だ。 連立合意によれば、最初の2年は入植強硬派で右派の小政党ヤミナを率いるナフタリ・ベネットが首相に就き、残りの2年は中道派の最大野党イェシュ・アティ
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