映画『君たちはどう生きるか』を作るにあたって、宮崎駿監督がいかに苦心して「高畑勲監督という名の”父”と別れを告げるのか」を中心に描いており、結果的に半ば狂気の域まで達しながらも映画をつくることで彼は高畑さんとのお別れを果たしたのだ、というストーリーになっていました。 編集もすごく凝っていて、ジブリの映像をたくさん編集に使えるなんて嬉しすぎ! というプロデューサーの声が聞こえてきそうな番組でしたね……そんなことない? しかし私はこの番組を見て心底「批評家がやるべきこと」について考えたのでした。 1.批評の時代から、考察の時代へそもそも私は、ここ数年は「考察の時代」だと思っている。 考察とは何かというと、「作者が作品に仕掛けた謎を解く」こと。たとえばドラマ制作者がドラマに仕掛けた謎を視聴者が番組を見ながら解いていくこと、あるいは映画製作者が映画に忍ばせておいた秘密を視聴者が紐解くこと。どんな作
![『プロフェッショナル 仕事の流儀 “ジブリと宮崎駿の2399日”』を見て批評家の役割について考えた|三宅香帆](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/366be497c84a3b8da889b84d64c18c5f55cd3031/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fassets.st-note.com%2Fproduction%2Fuploads%2Fimages%2F124878764%2Frectangle_large_type_2_2cb154e2730ee323ff330fe819f17154.jpeg%3Ffit%3Dbounds%26quality%3D85%26width%3D1280)