6月30日、エジプト各地で発生した大規模デモは、二日を経ても続いている。 カイロのタハリール広場を群集が埋め尽くす姿は、二年半前の2011年、当時のムバーラク大統領を辞任に追い込んだ「1月25日革命」を彷彿とさせる映像だ。参加者自体も、その時デモを主導した若者層が中心である。現ムルスィー政権の成立から一年となったこの日、ムルスィーの政権運営に「ノー」を言うために、再度集まった。 確かに、去年から比べても、カイロの街は荒んだ感じがする。6月初めに訪ねたときも、引ったくりなどが増えたと、さまざまな人たちから聞いた。過去の警察国家が崩壊したせいで、自由を謳歌しすぎる小売商たちは道路の半分くらいまで勝手に露店を広げ、おかげで渋滞は悪化する一方。タハリール広場に面した壁には、相変わらず「落書き」で憤懣を晴らそうと若者が毎日集まってくるが、革命から時間が経つにつれて、閉塞感は目に見えて深まっている。