あなたの知らないもう1つの『ももたろう』誰でも知っている桃太郎のお話。でも、松居直さんと赤羽末吉さんが作った『ももたろう』は皆さんがご存知のものとは少し違います。まるで創作のような印象の作品も、実は大切に語り継がれた口承文学の丁寧な再話から生まれたものでした。 金銀財宝を持ち帰らない「ももたろう」がいた! 読者から、松居直さんの名作絵本『ももたろう』についてご質問をいただきました。「松居さんの『ももたろう』は、私の知っているお話とは違います。この作品は松居さんの創作ですか?」と。たしかに、結末だけ見ても大違い。松居さんの『ももたろう』は、鬼が懺悔の証にと差し出した宝物を断り、代わりにお姫さまを助け出すのです。えっ、桃太郎がお姫さまを助け出す? なんだか不思議な桃太郎ですね……。 大切に語り継がれた口承文学をもとにした名作絵本 桃太郎は、岡山県がそのゆかりの地として有名ですが、実は、昔話とし