いささかセンセーショナルなタイトルだが、 キモは、 仏教における輪廻転生についてちと考えてみたいということだ。 輪廻転生の思想は釈迦以前にもあったわけだが、 釈迦が、この一見不合理な思想を旧弊として廃棄せずに 自身の思想の中に取り入れたのかは、たいへん興味があるし、 仏教の本質をとらまえるには、是非に考えねばならぬことだろう。 仏典には 釈迦が悟りを開いて仏になるまでの、輪廻転生する過程、前世を描いた 「本生経」(ジャータカ)というものがある。 法隆寺の玉虫厨子に描かれていることでも有名だ。 いろは歌の元ネタとされる羅刹と童子の話とか 餓えた虎の親子に自分の体を与える話とかだ。 厨子の写真は学生のころ見たが、 虎の子どもが 釈迦(の前世の王子)の腹から腸を引きずり出しているところがあったりして なかなかエグイなと思った。 (今回、ジャータカの抄集を読んでみたが、これだけでなくエグイのが多い