「真摯な反省の態度も見られない」。検察官の声をじっと聞き入っていた元秘書3人は、求刑の瞬間も表情を崩さなかった。2月に始まった裁判は裏金暴露や供述調書不採用など波乱の展開となった。検察側、弁護側ともに決め手を欠く中、小沢一郎元代表の公判にもつながる陸山会法廷はひとつの山場を迎えた。 午前10時すぎに入廷した元秘書3人は全員がスーツ姿。こわばった表情のまま、検察官に一礼し、被告席に腰を下ろした。公判中、石川知裕被告は目をつぶり腕組みをしたまま。自分の名前が登場すると、目を開き検察官を見つめた。 これまでの公判で、中堅ゼネコン「水谷建設」元社長らが元秘書側に計1億円の裏金を手渡したことを証言。また、被告人質問では、利子を払ってまで4億円の定期預金を担保に融資を受けた理由について、石川被告が「すべて合理的に説明できない」と言葉を詰まらせる場面もあった。 一方、検察側が劣勢に立たされる局面も。元秘