大地震、大爆発、巨大ハリケーン、テロ攻撃……。気鋭のノンフィクション作家、レベッカ・ソルニットによれば、世界の災害史を振り返ると、危機に直面した人間社会の行動にはある共通項が見出せるという。それは、パニックに陥る少数派のエリートがいる一方で、見ず知らずの人に水や食料そして寝場所を与え、時として命すら投げ出し助け合う普通の市民の姿である。ソルニットは、なぜこのユートピアを平時に築くことができなのかと問題提起する。東日本大震災後に、世界の知識人のあいだで注目を集めている「A PARADISE BUILT IN HELL」(邦訳『災害ユートピア』)の著者に話を聞いた。 (聞き手/ジャーナリスト 瀧口範子) ――あなたは著書「A PARADISE BUILT IN HELL」(邦訳『災害ユートピア』亜紀書房刊)の中で、大災害後の一時期に、人々が自分の利益は二の次に互いを支え合う、まるでパラダイスの
※各自治体のHPおよび聞き取り調査をもとに作成。放射性ヨウ素は反映させていない ※セシウム134とセシウム137の合計値を表記(単位は ベクレル/kg) ※水道水は検出されたおもな地点とその最高値を表記 拡大画像表示 〈セシウム137・1000ベクレル検出〉 〈セシウム134・960ベクレル検出〉 これは、東京・江戸川区の下水処理施設「葛西水再生センター」(臨海町)の脱水汚泥1kgに含まれていた放射性物質の測定結果である。東京都下水道局が5月18・19日に同センターの汚泥から採取し、結果を6月3日に発表したものだ。福島第一原発から200km以上離れた東京で検出された高い数値は、衝撃的である。 下水処理施設には雨水が流れ込む。検出された放射性物質の数値が高いということは、その周辺地域の放射能汚染の濃度がより高いことを示す。次ページの表を見ると分かるように、東京では足立区、江東区など東部の施設
「新宿駅 痴漢冤罪」――今、この言葉でネット検索をすると、ブログや記事、掲示板の書き込みなど、溢れるほどの関連情報を検出することができる。そしてその「情報」はどれも、日本社会の巨大な矛盾を浮き彫りにする悲痛で救いようのないものばかりだ。 昨年12月に新宿駅構内で一人の男性が痴漢容疑をかけられて暴行を受け、警察からの取調べの後に自らの命を絶った。男性の名は原田信助さん(25歳・当時)。2008年に早大商学部を卒業後、宇宙開発研究機構(JAXA)に入社した後、昨年10月に都内の私大職員へ転職していた。 事件はその2カ月後、12月10日の夜10時55分頃に起こる。職場の同僚から歓迎会を開いてもらった信助さんは、帰り道の新宿駅で酒に酔った男女数人の大学生グループとすれ違った際、「お腹をさわられた!」「痴漢!」と叫ばれ、連れの男子学生に殴られて階段から引き落とされるなどの激しい暴行を受ける(茶髪の若
電車内で痴漢をしたとして、警視庁大崎署が総務省情報通信政策課の国際戦略企画官の男性(43)を東京都迷惑防止条例違反容疑で現行犯逮捕していたことが同署への取材で分かった。職員は容疑を認め、釈放された。 逮捕容疑は、3日午前0時10分ごろ、JR山手線代々木-渋谷間の車内で、20代の女性会社員の下半身を触ったとしている。 大崎署によると、女性が職員の腕をつかみ、目黒駅で駅員に引き渡した。職員は帰宅途中で酒に酔っていたという。 総務省によると、職員は国家公務員1種試験に合格し、91年に入省したキャリア官僚。秘書課は「事実関係を調査しており、はっきりした時点で厳正に対処したい」としている。【伊澤拓也】
電車内で女性の胸などを触ったとして、警視庁荒川署が東京都迷惑条例違反(痴漢)の現行犯で、財務省関東財務局職員の男(46)を逮捕していたことが22日、同署への取材で分かった。 同署によると、男は容疑を否認しているという。男は19日、東京地検に送検され、釈放された。 逮捕容疑は17日午前8時ごろ、東京メトロ千代田線の電車内で、立っていた20代の女性の胸や下半身などを触ったとしている。 同署によると、女性が助けを求めたため、西日暮里駅のホームで乗客の1人が取り押さえたという。 財務省関東財務局は「事実関係を確認の上、適切に対処したい」としている。
菅直人首相を「日本のカダフィ」と呼んでは失礼に当たると思うが、同氏の粘り腰は、リビアの最高指導者・カダフィ大佐がこの3ヵ月間、北大西洋条約機構(NATO)軍の空爆によってトリポリ郊外の自宅を破壊され息子を含む多くの死者を出し、欧米諸国にある隠匿資産の凍結や経済制裁を受けるなど国際包囲網に晒されてもなお権力の座にしがみついている以上のものである。菅氏の二枚腰は「土俵際の魔術師」と言われた横綱・初代若乃花並みであり、まさに「驚嘆」と言うしかない。 筆者は、前号コラムがアップした6月18日午前、田原総一朗氏が司会のBS朝日「激論!クロスフィア」にコメンテーターとして出演した。当日のゲストは自民党の大島理森副総裁。番組の中で筆者は、民主党執行部から早期退陣を迫られる菅首相が首相の座に固執する理由として1.8月6、9両日の広島と長崎の原爆死没者慰霊・平和祈念式典に出席、国内外に向け「脱原発」宣言をア
大阪府警西淀川署の男性巡査部長(39)が暴力団関係者の不動産会社元役員(41)から現金を受け取ったとされる問題で、大阪府警が昨年5月の詐欺事件で元役員の関係先を家宅捜索した際、暴力団捜査を担当する捜査4課員の自宅などが記された名簿を押収していたことが捜査関係者への取材でわかった。 府警は巡査部長が流出させたとみているが、巡査部長は「提供した情報が多すぎて、すべてを覚えているわけではない」などと話しているという。 捜査関係者によると、元役員は昨年5月、住宅ローン会社から融資金4680万円を詐取したとして、山口組直系組織の組員らとともに、詐欺の疑いで府警捜査4課に逮捕された。この事件に絡み、同課が元役員の関係先を家宅捜索したところ、押収した証拠品のなかに、複数の捜査4課員の氏名や住所を記した独自に作ったとみられる名簿があったという。
株式会社NO BORDER代表取締役。社団法人自由報道協会代表。元ジャーナリスト。1968年福岡県生まれ。都留文科大学卒業。テレビ局記者、衆議院議員公設秘書、ニューヨーク・タイムズ東京支局取材記者、フリージャーナリストなどを経て現在に至る。著書に『石原慎太郎「5人の参謀」』 『田中真紀子の恩讐』 『議員秘書という仮面―彼らは何でも知っている』 『田中真紀子の正体』 『小泉の勝利 メディアの敗北』 『官邸崩壊 安倍政権迷走の一年』 『ジャーナリズム崩壊』 『宰相不在―崩壊する政治とメディアを読み解く』 『世襲議員のからくり』 『民主党政権は日本をどう変えるのか』 『政権交代の内幕』 『記者クラブ崩壊 新聞・テレビとの200日戦争』 『暴走検察』 『なぜツイッターでつぶやくと日本が変わるのか』 『上杉隆の40字で答えなさい~きわめて非教科書的な「政治と社会の教科書」~』 『結果を求めない生き方
菅首相は周囲の反対を押し切り、国会延長幅を70日に伸ばして決着させた。民主党執行部内にすらある退陣論をものともせず、むしろ主導権を握っている観さえある。ほぼ孤立無援の中、ここまでの粘り腰発揮。いったいどんな性格の持ち主なのだろうか。 「一度手にしたものは絶対、手放さない人です」。2011年6月5日付の産経新聞朝刊に載ったインタビューで、「かつての同志」で現在ホームレスとして暮らす田上等氏は、菅首相の性格についてこう分析した。 退陣決断できないのは、伸子夫人反対だから? 田上氏は、故・市川房枝元参院議員の選挙にかかわり若き日の菅首相と知り合い、菅氏の選挙対策本部事務局長を務めたこともある人物だ。 産経記事で田上氏は、初当選前に落選を続けた菅氏が「たとえ応援してくれる人がいなくなって、おれ独りになってもやる」と強気だったことを明かしている。「何を言われようと気にしない人」なのだそうだ。現在の孤
(CNN) 米中西部を流れるミズーリ川が氾濫し、ネブラスカ州にある2基の原子力発電所の一帯が洪水に見舞われている。米原子力規制委員会(NRC)は23日、両施設とも安全対策は万全との見方を示し、たとえミズーリ川の氾濫が数週間続いたとしても、発電所に被害が出ることはないと強調した。 同州のフォートカルフーン原発は、既に敷地の一部が60センチの水に浸かった。しかし原子炉や変圧器などの重要設備は防水壁で囲み、非常用のディーゼル発電機や送水ポンプ、土のう、消火装置などの設備も増強。同原発は周辺一帯の洪水を受けて6月6日に「異常事態」を宣言、NRCが検査官を派遣して24時間態勢で状況を見守っている。燃料補給のため運転は4月から停止中だという。 一方、フル稼働中のクーパー原発も19日に異常事態を宣言したが、現時点で敷地の浸水には至っていない。NRCは、もし必要になれば同原発の検査官も増員する意向だとして
中国の海洋調査船「南鋒」が23日、宮城県沖の日本の排他的経済水域(EEZ)内で、勝手に調査活動をしていたことが分かった。東日本大震災後、中国国家海洋局のヘリコプターが、東シナ海で海上自衛隊の護衛艦に異常接近したり、中国海軍艦隊が沖縄本島と宮古島の間を通過するなど挑発的行動が目立つ。菅直人政権の弱腰外交をあざ笑っているのか。 中国船は23日午前10時45分ごろ、宮城県沖330キロのEEZ内にいたところを、第2管区海上保安本部の巡視船が発見。巡視船は「EEZ内で事前同意のない海洋調査は認められない」として直ちに中止するよう指示。調査船は午後2時半ごろ、EEZ外に出た。 日本政府は在北京日本大使館を通じて、中国政府に日本のEEZ内で活動しないよう要求した。外務省筋は福島第1原発事故による放射性物質の拡散を調査していた可能性を指摘している。 この件について、元イラク先遣隊長である自民党の佐藤
「アイル・ビー・バック(私は必ず戻る)!」という言葉を残し、今年1月に国交省を去った馬淵澄夫前国交相。海上保安庁の保安官が中国漁船衝突ビデオを流出させた責任を問われ、内閣改造で続投できなかったのだ。その馬淵氏が「ポスト菅」に強い意欲を見せている。 「馬淵が当選3回ながら国交相に大抜擢されたのは、2005年に発覚した耐震偽装事件で一躍時の人となったため。馬淵のもとに大量の偽装告発の資料が届き、それを元に国会追及で大暴れした」(民主党関係者) 03年の衆院選で奈良1区から初当選した馬淵氏。夫婦仲は良く、6人の子供を持つ家庭人。ボディービル歴30年で「政界和製ターミネーター」とも呼ばれる。知名度も全国区。民主党で1、2を争う論客に成長した。 切れ味鋭い弁舌を聞く限り、カネの話には無縁と思えるが、金銭スキャンダルが噴出した。 「今年6月に国税の査察を受けた業界大手のソフトウエア会社から、馬
東京電力福島第1原発事故の賠償問題で、枝野幸男官房長官(47)が東電の取引金融機関に債権放棄を求めた発言が尾を引いている。枝野氏は当初、貸し手責任を強調していたが、ここにきて「債権放棄発言はしていない」と一気にトーンダウン。理由は、「債権放棄となった場合、3メガバンクなどが即座に菅政権を相手に行政訴訟を起こす準備を進めているとの情報を察知したため」(永田町関係者)という。銀行界の反撃態勢にあわてて、前言を撤回したというのだ。 福島第1原発の賠償支援策に関し、枝野氏の口から金融機関に債権放棄を求める発言が飛び出したのは5月13日午前、閣議後記者会見でのことだった。 枝野氏は、事故発生前に金融機関が実施した融資は「事故のリスクを考慮に入れて融資がなされいているというのがマーケットの基本だ」とし、金融機関が東電の貸し手責任を負わない限り、「国民の理解は到底得られない」などと話した。 ところ
菅直人首相が復興対策担当相に松本龍氏を充てたことについて、政府・民主党は「政策の継続性」を強調するが、建前にすぎない。実際には退陣問題で孤立を深め大幅な内閣改造に踏み切る余力がなくなったうえ、一時本命視された仙谷由人官房副長官や名前が取り沙汰された玄葉光一郎国家戦略担当相(政調会長)と対立し、松本氏以外に選択肢がなくなった。首相の求心力低下を浮き彫りにしたといえる。 玄葉氏は24日の記者会見で自らの就任を否定、首相を突き放した。 「私が政調会長、国家戦略担当相を兼ね、さらにということは考えられない。退陣表明をした以上、首相や枝野幸男官房長官が兼任するのが一つの考え方だ」 被災地・福島選出の玄葉氏は本格的復興のための平成23年度第3次補正予算案への野党側の協力を得るため、首相に早期退陣を促してきた。会見でも「首相は地位に恋々とする方ではないと信じているし、信じたい」と語った。 首相は23日夜
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