チリ政府は2月15日、北部の4地域に対し緊急事態宣言を発令した。期間は15日間で、必要ならば延長可能となっている。同宣言が発令された地域は、アリカ・パリナコタ州のアリカ(アリカ市の一部を除く)とパリナコタ、タラパカ州のタマルガル、アントファガスタ州のエル・ロア(カラマ市の一部を除く)の4地域。これら地域はそれぞれアルゼンチン、ボリビア、ペルーとの国境に位置しており、近年、不法移民の入国が後を絶たなかった。2月15日付の官報によると、チリ警察が2020年に摘発した不法入国件数は8,219件だったが、翌年の2021年には1万6,879件と、2倍に増加していた。 今回、緊急事態宣言を発令するに至った背景には、チリ人トラック運転手の殺人未遂容疑で、ベネズエラ人不法移民3人が逮捕された事件がある。この事件をきっかけに、不法移民増加による治安の悪化を危惧したトラック運転手らがデモを行い、北部の主要道路