さて、経営資源の配分に当たってまず考えなければならないのは、個々の事業が属している産業や市場の成熟度だ。産業や市場にはそれぞれ寿命がある。ある時に立ち上がって成長を続けるが、やがては成熟期を迎え、その後は衰退の道をたどる。事業を取捨選択して経営資源を配分し直すには、事業の属する産業や市場がどの段階にあるのかを考慮しなければならない。 ここで例題を出そう。右の図は、A、B、Cの3社がそれぞれ3つずつ持っている事業の成熟度を、私がかつて所属していた経営コンサルティング会社、アーサー・D・リトルの分類に応じて図示したものである。 各事業の円の大きさは売り上げに比例している。あなたが経営を任されるとしたら、3社のうちどれを選ぶだろうか。