ケーブルを使わず、無線で電力を送る「ワイヤレス給電」が脚光を浴びる。昭和飛行機工業はバスにこの仕組みを搭載。急速充電にも対応する。ソニーはテレビの電源を無線化。複数機器に同時給電できる技術開発も進む。 1831年に英国の科学者マイケル・ファラデーが発見した「電磁誘導」の法則。コイルに電流を流すと磁場が発生し、逆に、コイルに磁石を出し入れすると電流が流れるというものだ。指3本で原理を学ぶ「フレミングの法則」として、理科の授業で習ったことを覚えている人も多いだろう。世の中にある多くのモーターや発電機、変圧器はこの法則に従って動いている。 21世紀に入り、この物理法則が新たな可能性を見せ始めた。無線で電力を供給する「ワイヤレス給電」だ。 台の上にまたがるだけで充電 ワイヤレス給電には主に2つの方式がある。ファラデーの法則から名づけられた「電磁誘導」と、今年夏から試作品の発表が相次ぐ「磁界共鳴」だ