NECが今、「ITとネットワークの融合」を掲げ、組織改革やシステム刷新など“次の一手”を繰り出している。その狙いは、個別最適からの脱却。矢野薫社長は、就任以来3年をかけ、理念を明確にし、それを実現するための制度を考え、それを実行するための組織作りに取り組んでいたという。総額400億円を投資して、グループ15万人が使う新システムは、それらを裏打ちするための基盤であり、かつクラウド時代の主導権を確保するためのショーケースでもある。(聞き手は谷島 宣之=日経コンピュータ編集長、写真は小久保松直) 2009年4月1日付の組織改正は、顧客から見ると何が変わるのか。 何よりもまず、分かりやすくなります。当社は“ITとネットワークの融合”と言っているわりには、ITの営業もいればネットワークの営業もいて、お客様からすると「一体だれに何を話せばいいのか」という状態だった。営業体制の見直しは長年できなかったけ