この計画についてゲノム科学の第一人者、中村祐輔シカゴ大教授は、人は元々少しずつ塩基配列が異なるのに加え、解析装置がエラー(配列の読み間違い)を起こすため、塩基配列の変異があっても病気につながるかどうかや被ばくの影響と断定することは不可能として「荒唐無稽(むけい)な計画」と批判。ゲノム解析が専門の宮野悟・東京大医科学研究所教授は「放射能の影響なのか分からない解析結果が勝手に原発事故と結びつけられ、福島県民の心を傷つけ、差別や偏見を生じかねない」と懸念を示した。 環境省は「計画を具体化する際には、専門家の意見を聴く機会を設けたい」と説明している。【比嘉洋、河内敏康】