承前 以下に書くことは Google Books 等の検索結果をまとめた私的なメモである。 「国家は…… instrument of violence*1 / Gewaltapparat である」とする定式化は広くマルクス(ときにはマルクス=エンゲルス)に帰されている*2。この定式化は1960年代にはマルクス主義者以外にも広範に知られていた*3。しかしこの語はそれとしてマルクスの著作中には登場しない可能性が高い。marxists.org に収録されている、手稿を含めたマルクスの著作中に Gewaltapparat という語は登場しない。一つの可能性としては、1910年代の共産主義者によるマルクス受容のなかで、マルクスの国家観、すなわちアレントの言葉を借りれば "the state as an instrument of violence at the command of the ruli