総工費が2520億円に膨れあがり、迷走を続けた新国立競技場の建設計画が17日、首相の一声で振り出しに戻った。事業主体の日本スポーツ振興センター(JSC)には巨費投入に反対する抗議の電話が1週間で数百件も殺到。財源のめどが立たないまま計画を進めてきた文部科学省は重い空気に包まれた。東京都の舛添要一知事は「総工費を決める前に(見直しを)できなかったのか」などと強い口調で批判した。 都内のJSCの事務局では、首相が白紙撤回を表明した様子を報じる夕方のテレビ中継に 職員らが くぎ付けになったという。計画に関わってきた 職員 は「正直に言って涙が出る。ここに至るまでにも税金を使っている。(現計画を)前に進められなかったことが申し訳なく情けない」とつぶやいた。 事務局には抗議の電話が頻繁にかかる。 この職員は コストの検証が甘かったことが混乱を招いたと認め「(抗議電話で)首相の判断まで仰がなければいけ