【5月10日 時事通信社】米海軍のイージス駆逐艦「ウィリアム・P・ローレンス」が米東部時間9日、南シナ海・南沙(英語名スプラトリー)諸島のファイアリクロス(中国名・永暑)礁に中国が造成した人工島から12カイリ(約22キロ)内を航行した。米国防当局者が明らかにした。 南シナ海の軍事拠点化を図る中国の活動が問題化して以来、中国の支配下にある人工島などから12カイリ内に艦船を送り込む「航行の自由作戦」を米軍が実施するのは、昨年10月、今年1月に続き3回目。米軍には、一帯の海空域の実効支配を強める中国をけん制する狙いがある。 ウィリアム・ローレンスは前2回同様、中国に事前通報することなく現地時間10日午前、12カイリ内を通過した。米軍は、やはり前回と同じように訓練などの軍事行動を伴わない「無害通航」だったと説明しており、中国を過度に刺激しないよう配慮した可能性もある。(c)時事通信社