2008年にノーベル物理学賞を受賞した小林誠、益川敏英両博士が理論的に解明した素粒子の現象が、別の素粒子ニュートリノでも起きている兆候を見つけたと、高エネルギー加速器研究機構(茨城県つくば市)などが7日、米国の国際会議で発表する。 この現象がニュートリノでも確認できれば、宇宙の成り立ちの謎を解明する有力な手がかりになる。ただ確証には至らず、研究チームは数年かけ、さらにデータを蓄積するという。 宇宙が誕生した頃、宇宙には「物質」と「反物質」が同数あったとされるが、現在の宇宙で反物質はほとんど消えている。理由の一つとして、小林・益川両博士は物質と反物質の性質の違い(CP対称性の破れ)があることを素粒子クォークで提唱した。実験で証明されたが、ニュートリノでは未解明となっている。 研究チームは今回、ニュートリノと反ニュートリノが飛行中に種類が変化する現象を利用し、変化する割合に差が出るかを実験した