STAP(スタップ)細胞の論文問題で、STAP細胞とされる細胞の遺伝子データを解析したところ、別の万能細胞であるES細胞(胚性幹細胞)に酷似した特徴を持っていたと、理化学研究所の遠藤高帆(たかほ)上級研究員が日本分子生物学会誌(電子版)に発表した。 この論文によると、STAP細胞では、通常2本セットになっている染色体の数が、8番染色体だけ3本になっている異常が見つかった。この異常があるマウスは胎児の段階で死んでしまうはずだが、STAP論文の筆頭著者だった小保方晴子・理研ユニットリーダーらは生後約1週間のマウスからSTAP細胞を作製したと主張している。 この異常はES細胞ではよく見られる。遠藤氏は「ES細胞に非常によく似た性質を持つ細胞と結論できる」と指摘している。