劉暁波*1が天安門事件(六四)二周年に、蒋捷連(十七歳の時事件に出会い銃殺された)を悼んで作った詩。 十七歳へ ぼくは生きていて 過不足のない悪評もある ぼくには勇気も資格もないが 花を一束と詩を一編ささげ 十七歳のほほえみの前に行く たとえぼくが分かっていても 十七歳は何の怨みも抱いてないと 十七歳という年齢が僕に告げる 生命は素朴で飾らないと 果てしない砂漠のように 木も水も必要なく 花の飾りも必要なく 太陽のほしいままの虐待に耐えられる 十七歳は路で倒れた 路はそれきり消えてしまった 泥土に永眠する十七歳は 書物のように安らかだ 十七歳は生を受けた世界に 何の未練もない 純白で傷のない年齢の他には 十七歳は呼吸が停止したとき 奇跡的に絶望していなかった 銃弾は山脈を貫通し 狂ったように海水を痙攣させた すべての花が ただ 一色に染まったとき 十七歳は絶望しなかった 絶望するはずがない
![2010-10-07](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/06a15c64ba0ceec233d86d71001ebb29a9dcbf5d/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fcdn.blog.st-hatena.com%2Fimages%2Ftheme%2Fog-image-1500.png)