home > archives >リクール論(1) ■ 学会発表 ポール・リクールにおける聖書解釈学の前提について 【注意書き】 本論は、日本基督教学会近畿支部会(2001年3月29日、京都大学) にて発表した研究です。以下は、当日口頭発表した原稿ですが、各節の表題は、HTML化するにあたり、新たに私が補足したものです。 要約 (学会資料集に掲載されたもの) リクールの哲学的聖書解釈学 根源的肯定の働き 間接的反省としての解釈学 残る問題点とまとめ 現代フランスの哲学者ポール・リクールの思想の一角を占める聖書解釈学は、現代における聖書の意義を主張するための哲学的根拠として、英語圏を中心に広く受容されるに至っている。リクールの主張によれば、聖書の言葉の読解を通じて、新たな世界観、ひいては新たな自己観が形成されるという機能(詩的言語と同様の行為遂行的機能)が、聖書言語には備わっていると考えら