「保育園落ちた 日本死ね!!!」のブログが社会問題となっていく中、メディア史を研究する京都大の佐藤卓己教授は新聞の鈍い反応に不満を抱いていたといいます。ニコニコしながら「国民レベルで感情を広める力は、もう新聞に期待できないね」と言うのです。(聞き手 朝日新聞地域報道部記者・田中聡子) 【画像】「保育園落ちた日本死ね!!!」と題した書き込みが話題になったブログ ――今回の騒動をどのように見ていましたか。 新聞の存在感があまりにも小さかったですね。ネットでブログへの賛否が飛び交っている最中に、ブログにつづられた個人の怒りを理性的な議論に導いたり、この課題をどう政策につなげるべきか道筋を示したりすることができたはずです。少し前の新聞なら、ちまたの庶民のために息にも耳をすませ、それをすくい上げていたはずです。 ブログで発せられた感情が政策に反映されていくという今回のプロセスの中で、中抜きされて