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ブックマーク / yasuyuki-iida.hatenablog.com (23)

  • 高所得者に2.5倍お得な軽減税率! - こら!たまには研究しろ!!

    とても想定内とは言えない消費動向,かなり不安な機械受注統計にもかかわらず,なぜか来年10月からの消費税再増税の議論が進んでいるわけですが…….そのなかで何よりもマズい課税方式!軽減税率が現実味を帯びてきました. 一般消費税の利点は,全ての財に等しくかけられていること.その大きな利点をわざわざ損なうようなまねをなぜするのか全く意味が分かりません.複数税率はインセンティブを歪めるため,効率的ではないという点に異論のある経済学者はいないでしょう.増税の是非はともかくとして,軽減税率には全経済学徒は他の論点の相違を超えて団結して反対していく必要がある. 税制の効率を損なってまで軽減税率の導入を目指す……その際の理屈が「低所得者対策として必要」というものです.しかし, その嘘ホント!? 日はあまりエンゲルの法則(高所得者ほど支出に占める費の割合が下がっていく傾向)の成り立ちが良くない国です.低所

    高所得者に2.5倍お得な軽減税率! - こら!たまには研究しろ!!
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    kgotolibrary 2014/07/11
    エンゲル係数は所得とあまり関係ない、軽減税率はむしろ富裕層減税…/《食費の5%軽減税率で,低所得者層は1700円/月の減税,高所得者層は4100円/月の減税.なんと高所得者層の方が2.5倍も減税》
  • 消費増税後の消費動向 / 2014-06-28 - こら!たまには研究しろ!!

    株式市場・労働市場が比較的堅調であることから忘れられがちだけど...消費の現場に近い人ほど6月に入って景気に急速に暗雲が立ちこめてきていると言う.今月の家計調査を見るとかなり心配な結果になっているみたい. そこで,ちょっと前回の増税と今回の増税の違いをまとめてみた. まずはデータから ここでは家計調査の家計消費水準指数を使おう.ニュースなどで見る家計支出額等だと世帯人員数や物価の変化が混在しているので(それでも以下の傾向はほぼまんま維持される),これらの調整を行った指数値の方が実態を反映していると考えるからだ. 増税の半年前から増税後1年間の消費動向を見ると... となっており,今次の増税の影響は過去の比を見ないものだとわかるだろう.ここまで極端な下振れを想定内だという論理が僕には分からない. この落ち込みは,昨年前半の消費の急回復によって誇張されているという意見もあるんじゃないだろうか.

    消費増税後の消費動向 / 2014-06-28 - こら!たまには研究しろ!!
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    kgotolibrary 2014/06/28
    《経済学好き向けに言うと,これまでの消費増税は代替効果だけ.今回はそれに(負の)所得効果が乗っているんだ》
  • 2013-11-30 - こら!たまには研究しろ!!:[economics]福島第一原発観光地化計画の経済的側面(は無視しろな話)

    私は街おこしの専門家でも,都市計画の専門家でも何でも無いので,ここに首を突っ込むのは辞めておこうと思ったんだけどなんか書きたくなっちゃったので感想メモ.議論のきっかけになった『福島第一原発観光地化計画』は凄くビジュアルが綺麗だし,役に立つ情報も多い.このを読んで,ひとまず福島第一を見に行ってみようという動きが高まるのは凄く望ましいコトだと思う. 福島第一原発観光地化計画 思想地図β vol.4-2 作者: 東浩紀,開沼博,津田大介,速水健朗,藤村龍至,清水亮,梅沢和木,井出明,猪瀬直樹,堀江貴文,八谷和彦,八束はじめ,久田将義,駒崎弘樹,五十嵐太郎,渡邉英徳,石崎芳行,上田洋子出版社/メーカー: ゲンロン発売日: 2013/11/15メディア: 単行(ソフトカバー)この商品を含むブログ (26件) を見る でもね.箱物を建てることを計画の中心にするのは,特にあたかも経済的な合理性があ

    2013-11-30 - こら!たまには研究しろ!!:[economics]福島第一原発観光地化計画の経済的側面(は無視しろな話)
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    kgotolibrary 2013/11/30
    《「観光客を迎える」って誰でも出来ることじゃないんだよ.これは福島に限らず,被災地に行った人は外客を迎えるための人的インフラ(略)が圧倒的に足りないことにきづいたんじゃないかな.》
  • 新刊発売!タイトルは『夜の経済学』とかいろいろ♪ - 2013-09-25 - こら!たまには研究しろ!!

    荻上チキとの共著『夜の経済学』いよいよ発売 夜の経済学 作者: 飯田泰之,荻上チキ出版社/メーカー: 扶桑社発売日: 2013/09/26メディア: 単行この商品を含むブログ (16件) を見る 大変お待たせしました.書く書く詐欺でおなじみの『夜の経済学』ようやく発売です.書の構想は2年くらい前からあったのですが...実は『彼女たちの売春  社会からの斥力、出会い系の引力』(荻上チキ,扶桑社)と同時刊行予定だったりしたのですが...飯田がふがいなさ過ぎてここまで発売が遅れましたこと,チキ君と担当のY嬢に心からお詫び申し上げますmm 『週刊SPA!』の自称人気連載「週刊チキーーダ」で続けてきた,「夜の経済学」シリーズですが,雑誌2頁だけではどうしても伝えきれないことがあるわけです. 足かけ4回にわたるワリキリ1000人調査,100人以上への聞き取りを繰り返した売春婦調査,大手風俗サイトと

    新刊発売!タイトルは『夜の経済学』とかいろいろ♪ - 2013-09-25 - こら!たまには研究しろ!!
  • マンデル・フレミング効果ではないかもしれない│こら!たまには研究しろ!!

    消費税増税がほぼ既定路線となったことで,それを財源とした財政出動に向かいつつある今日この頃.あれ?社会保障とか財政再建のための増税なのに公共事業に使っちゃったら意味ないんじゃないの?というそもそもの疑問はさておくとして,公共事業による財政出動の景気への影響は90年代以降低下していることが指摘されています*1. かつてはそれなりに効いていたとおぼしき財政政策の効果が低下したのはなぜか.経済学者だと乗数低下と聞くと中立命題かマンデル・フレミング効果が思いつくわけです.しかしながら,中立命題は……日ではその成立要件である「合理的な消費者」の割合が低下しているという報告が多く,どうも乗れない*2. すると,乗数低下の要因はマンデル・フレミング(MF)効果,つまりは財政支出による為替レート変動の影響である・・・といいたくなる.そして乗数低下の原因がMF効果だとしたら,十分な金融緩和と組み合わせるこ

    マンデル・フレミング効果ではないかもしれない│こら!たまには研究しろ!!
  • 岩手県被災地域に行って来ました - 2011-05-08 - こら!たまには研究しろ!!

    G.W.のラストを利用して岩手県に行ってきました.今回は,僕でもできる範囲での支援方法を捜す旅.縁あって副代表になったCFW(Cash for Work)-Japanキャンペーンですが,その活動とは別に,より具体的なビジネス再出発のお手伝いの方法を模索中です. まずは,ちょっとしたまとめ 新幹線が通っている一ノ関〜盛岡の街は全くの平常運転なので何の遠慮もなく観光旅行に行こう みんな岩手行け! メディア等で伝えられる重被災地域でも沿岸部から車で5分離れればふつうにコンビニ・スーパーがあいているところが多い 被災地方面に向かうならとれれば遠野*1,だめなら一ノ関(気仙沼・陸前高田方面)・北上・花巻あたりに宿を取るのがよい 徐々に進み始めたPJ関係で 急募!! 都内で移動式店舗(屋台等)を営業する場所を数日間提供してくれるっていう太っ腹な企業や地主さん 車両を貸してくれるorくれるっていう超太っ

    岩手県被災地域に行って来ました - 2011-05-08 - こら!たまには研究しろ!!
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    kgotolibrary 2011/05/09
    すばらしいけど、ひとつだけ指摘。盛岡行きの仙台~盛岡ノンストップじゃない新幹線は、大半の乗客が仙台で降りるのはいつものこと。だからあまり驚かなくてもいい
  • みっしょん・いんぽっしぶる - こら!たまには研究しろ!!

    昨日からいよいよ学の一般入試期間が始まりました.僕は今年も試験監督です. 時間通りに行動する 数を数える 間違いなく配布・回収を行う といった入試関連のお仕事……これは大学教員の能力をはるかに超えています.もっとちゃんとした人に委託した方が安全だと思うんだけどなぁ.こう書くと「入試監督なんてやらせんじゃねーよ」という厭味のように聞こえるかもしれないけど,そうじゃなくてまじで.大学教員の事務処理能力の低さを見くびってはいけません. それはさておき,ふと思ったこと.論説が大学入試の課題文として採用されるのって, 「そこそこ知性のある人間が読んでもわからないくらい下手な文章」 だって認定されているようなもん気がするんだけど,どうなんだろ*1. *1:大学入試どころかロースクールの課題文にもなったことがあるんですが何かw

    みっしょん・いんぽっしぶる - こら!たまには研究しろ!!
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    kgotolibrary 2010/02/06
    最後が本編/大学の入試で使われる書き手のランキングとか見ていると同様の感想を持たざるを得ないなあ
  • 米英リフレ政策発動と日本の現状 - こら!たまには研究しろ!!

    ご存じの方も多いと思いますが,量的緩和政策の実施を宣言したイングランド銀行に引き続き,FRBも半年で長期国債を30兆円,住宅ローン担保証券を120兆円(従来方針よりプラス60兆円),政府機関債を20兆円(プラス10兆円)買い入れることでバランスシートの拡大を目指すことになりました.月額に直した国債買い入れは5兆円,その他債券は11兆円の買い入れ…….さらには今後も「あらゆる手段をとるべき」とのバーナンキ先生の心強いお言葉付です. 一方我らが日銀行は,月額買いとり額を1.4兆円から1.8兆円へと0.4兆円増額したところで日銀行総裁からは「限界に近い」とのお言葉…….あまりに違う規模,そして弱気.あまりの温度差の違いに思わず暗くなってしまいます. しかし! 日銀行の最高責任者である総裁が「限界だ」と言っているんです.無根拠なわけがありません.これまでも地道に国債を買いまして市場にお金を流

    米英リフレ政策発動と日本の現状 - こら!たまには研究しろ!!
  • 俺様リサイタル開催(?)のお知らせ - こら!たまには研究しろ!!

    おっと.あやうく新年の公約である「隔週更新」をはずすところでした.元々引き出しが少ないんで……すぐに書くことが無くなっちゃうんです.あんまり小ネタ拾うのも得意じゃないし.物書きやっぱりむかないかも知れない(泣) というわけで近況報告をしますと……今年前半は真面目に研究と思っていたのに年明けから予想外の出版ラッシュとなりそうな予感.そしていちおー研究論文も出るでよ. というわけで以下出版スケジュール(一部はまだあくまで予定). ■3月 内閣府経済社会総合研究所Discussion Paper Seriesより,松前龍宜氏との共著"The Dynamic Effects of Japanese Macroeconomic Policy: Were there any changes in 90s?"が公刊されます. おなじみVARなんですが,代表的なデータ加工方法を全部ためしてみて「どのデータ

    俺様リサイタル開催(?)のお知らせ - こら!たまには研究しろ!!
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    kgotolibrary 2009/03/16
    なんという飯田祭り(笑)。できるだけ楽しませていただきます!
  • 一発逆転思想三題 - こら!たまには研究しろ!!

    昨日はシノドスで音楽学の増田聡さんとお話ししてきました.氏のセミナーの趣旨は「Perfumeはいい!」「Perfume最高!」「Perfumeかわええ」というものでした.ヤードバーズ久々に聞いたぜ.シノドスではセミナー後に演者&受講生の皆さんでお茶(時にビール^^)を飲みながら雑談するのですが,そのなかでちょっと議論になったのが「理性の過剰と理性の過小」のお話. 欧米のポストモダン思想では理性(論理的に考え論理的に答えを出すこと)の過剰への反省というのが一つのテーマとのこと.これはある程度頷けるかも知れない.でも,それを日に直輸入すると現実には役に立たない話ばかりになってしまう.だって日って理性過小なんだもん.その結果,日の現代思想は日古来(?)の論理的に考えるのが苦手という意識に免罪符を与えている……いわば「理屈っぽく考えなくてもええじゃないか運動」をすんごい難しい言葉で語ってい

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    kgotolibrary 2009/02/23
    《んでオリジナリティーがなく正しい.政策提言として重要なのはオリジナリティーではなく有効性です》
  • 自己責任論批判の作法と戦略 - こら!たまには研究しろ!!

    まずは前置き……長いので読み飛ばしてくださっても結構です ミクロ・マクロと言ってもミクロ経済学とマクロ経済学ではございません.個別問題と全体のシステムのお話しについて.自己責任論批判を巡る論争を見る度に,今のままでは自己責任批判論は自己責任論を説得できないだろうなと感じてならないんです. 自己責任論……特にここ数年の流行としてはニート・フリーター・ワーキングプアは「そいつらの努力が足りないせいだ」なのか,「社会の問題」なのかの論争において両者の論争がどうもまとを外しているように思えてならない. あるX君が失業しているとしましょう.「もし」X君が「職を得られるよう」「社内で評価される」「待遇が悪い仕事でもがまんしてやってみる」ための努力をもっとしていたら「X君」が失業者になっていた可能性はずいぶん低いでしょう.その意味で,「X君が失業している」ことはX君の「自己責任」ではあります.その意味で

    自己責任論批判の作法と戦略 - こら!たまには研究しろ!!
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    kgotolibrary 2009/02/09
    「努力」論への実効的反論
  • 2009-02-02 経済成長ってなんなのよ?- こら!たまには研究しろ!!

    先日のエントリに関連して一番多かったコメントが「経済成長なんて出来るの」というものでした.そこで,経済成長についてちょっとしたメモを*1. まず,単に「経済成長」ではちょいと抽象的過ぎる.こいつにまずは取り扱いが容易な定義を与えましょう.経済成長とは「ある国の国民*2が経済的に豊かになっていくこと」です.経済的な豊かさは「国民がどれだけの財・サービスを購入できるor貯蓄できるか」できまる.ということはそれを計る指標は実質GDP(実質国民所得)ということになります*3. でも,ここで「待てよ」と思うかもしれない.「国民って何よ?」という疑問.「日国民って人」がいるわけじゃあないですよね.もう少し実感にあわせるなら「平均的国民の経済的な豊かさ」ってことになるでしょう.すると,実質GDPよりも一人当たり実質GDPが経済成長の定義としては優れている. こうまとめると,人口減少だから経済成長しない

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  • まずは三択だって言うことに気づかねばならない - こら!たまには研究しろ!!

    今週もちょっと早読み『週刊ダイヤモンド』です.今回の特集は「正社員vsハケン 対立か共存か!?」と銘打っての格差問題*1.それにあわせてか「Data Focus」でも樋口美雄先生の雇用保険のカバー率低下のお話し.経済誌ということもあって,TV・新聞の派遣問題者よりも現実的な認識・解決策の模索に重点が置かれているかんじ.特集記事関連以外ではあいかわらず山崎元さんが冴えてます♪ 囲み記事ではおなじみ湯浅誠・雨宮処凜・赤木智弘の三人のそろい踏みなんですが,なかでも注目したいところは雨宮氏の「対立をあおるのは逆効果」という主張です.湯浅氏も他のメディアで同じような主張をされることが多いように感じます. 全くそのとおりではある*2んですが……分配の問題は必然的にパイの取り合いにならざるを得ない点を忘れてはいけない! ダイヤモンドの表紙自体がそれを如実に表しています. 一定の産出量(総所得)の元でA氏

    まずは三択だって言うことに気づかねばならない - こら!たまには研究しろ!!
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    kgotolibrary 2009/02/01
    経済成長=拝金主義、もしくは20世紀の概念という考え方に囚われている人が多い、もしくは経済成長なんて幻想だという考え方からスタートしているからではないかと。「90年代」の弊害はここにも現れている
  • イラスト書いていただきました♪ - こら!たまには研究しろ!!

    先日オールニートニッポンに出演した際の収録の様子(?)のイラストを描いていただきました.なかなか可愛くかいていただけて嬉しい限り.それにしても巨椋さんは似すぎです. なぜに僕が「ルネッサーンス!」な感じなのかwはさておき,当日の内容などもまとめられています(四季の秘密日記(オグラジオ)) そこでも言及されています*1が,「頑張った/頑張らない」で人を判断するのそろそろやめにしません? これをやりすぎると「頑張ったフリが上手な人」だけが有利になります*2 *3.実際僕たちの「人を見る目」ってかなりアテにならなくて……僕自身かなり頑張っているのに周りから「暇そう」って言われたり,逆に「フリ」さえしていないのにしんどそうって言われたりする. 他人の内面なんてそうそうわからない.適度なとこでのあきらめが肝要. *1:先日の放送で一番伝えたかったところなので嬉しいです♪ *2:そして僕はかなりこれが

    イラスト書いていただきました♪ - こら!たまには研究しろ!!
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    kgotolibrary 2009/01/27
    《頑張った/頑張らない」で人を判断するのそろそろやめにしません?》
  • 怒りか……脱力か - 2008-08-21 - こら!たまには研究しろ!!

    日(21日)の朝日新聞朝刊12面(オピニオン)の特集「景気拡大の終わり」に小文を寄稿しました.欄は3人の論者がテーマに対して自分なりの回答を寄せるという形式なのですが,今回は依頼時に「景気拡大の終焉と若者」に言及して欲しいとの示唆もあり*1, 漏れ「デフレ対策が若者を救う」 水野和夫「もう内需には頼れない」 残間里江子「カッコつけかた段階に学べ」 の3です. この過疎ブログをチェックされている人ならば僕と水野氏の記事は……まぁいつもの話ですからいいでしょう.水野氏の話は,なんで景気後退の話に専制君主がどうとか帝国がどうしたという話が出てくるのか,日以外の国はちゃんと成長しているのに難で日だけ成長しないのか等つっこみどころまんさいですが,今日注目したいのは水野氏の話じゃない. 問題は残間氏の話.「お金がないのに高い酒を飲むのはカッコ悪い」「野菜が高いから自家菜園をはじめた」「都会で

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  • 連作の難しさ……というかなぜ連作は避けるべきか - こら!たまには研究しろ!!

    12月1日のエントリでも取り上げましたが,『ウェブ進化論』を読んで以来,すっかり梅田望夫氏のファンなので,『フューチャリスト宣言』も楽しく読みました. 氏の持ち味は,細かな点を気にせずに未来へのヴィジョンを示すところにあるので揚げ足取りはしません.というか,そんなの気にならないくらいスピード感のある対談です.おまけについている氏と茂木健一郎氏による高校・大学での講演録もなかなか.一度ナマで聞きたいなと思います*1. でもですね.なんか不安というか不満が残るんです.僕は性格がひねくれてますから,なんで僕にとってこの人の話が心地よいのかな? と思っちゃう.この不安を解消するために,『ウェブ進化論』を再度パラ読みしてみたんですが……なんとなく理由がつかめてきました. 作を重ねる毎に,氏の話がよく言うとわかりやすく,悪く言うと誇張されているように感じるのです.なぜこのような自体が生じるのか.囲い込

  • なぜマークス寿子女氏は「もっと女性をほめよう!」というのか - こら!たまには研究しろ!!

    今やもう古い話題ですが,マークス寿子女氏が「日の男性は女性をほめない」という話をされているようです.コレへの反応はbewaadさん,山口さんなどが既に言及されています. しかし,お二方の素直な分析よりもちょっと意地悪に*1考えてみましょう.なぜマークス寿子女氏は「日の男性は女性をほめない」というのか.それは「日の男性は女性をほめない」と思う女性が彼女の言説の主要顧客だからではないでしょうか. wikiを見る限り女氏の著作は「日人はダメ」的なものが多い.こういう話のマーケットは40歳未満には薄い.そして,女性著者ですからターゲットに適しているのは男性よりも女性.さらには,主婦層ではないでしょうか. 利益があれば,必ずほめます.女氏自身が言及しているように. この10月にニューヨークのダウンタウンを歩いていると「いいね!その帽子」と言ってくれた路上の物売りの黒人男性がいたので嬉しさのあ

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  • こら!たまには研究しろ!! - ブックオフめ!恨むぞよ

    国家の品格 (新潮新書) 作者: 藤原正彦出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2005/11/20メディア: 新書購入: 5人 クリック: 255回この商品を含むブログ (907件) を見る 書については,amazon書評でも指摘されていましたが,多くの学生からもその「ダメな議論性」について感想をうけていました.というわけで……気にはなっていはいたんですが,精神衛生に良くないと思い避けていました*1.しかし,今回もまたいまさらなのに読んでしまいました……『国家の品格』.あぁなんちゅうか……売れるはこりゃ.こういうの読む度にいろんな意味で激しくおちる.『他人を見下す……』といいこれといい,購入のきっかけはブックオフで200円だったからという単純なモノです.恨むぞブックオフ(←激しく逆恨み) 書は基的に拙著『ダメな議論』がいうところの「コールドリード型言説」のみから構成されています.は

  • 諸君 私はデータが好きだ - こら!たまには研究しろ!!

    このblogの読者諸賢はとうにご存じのことと思いますが,僕はデータが好きです.数理統計とか計量分析以前に単なるデータ.子供の頃から地図帳の一番好きな頁は人口ランキングでした.なんかデータを見ていると楽しいし,いろいろな「へんな発想」が浮かんできます.僕のデータ好きは政策インプリケーションとか社会的意義とかはあんまり関係ないです.むしろ出歯亀根性に近いと思う. 僕と同様に(?)データが好きで好きでしょうがない人は,手元にこの二冊をおいておきましょう. 日の統計〈2006年版〉 作者: 総務省統計研修所出版社/メーカー: 日統計協会発売日: 2006/03メディア: 単行 クリック: 3回この商品を含むブログを見る世界の統計〈2006年版〉 作者: 総務省統計研修所出版社/メーカー: 日統計協会発売日: 2006/03メディア: 単行 クリック: 8回この商品を含むブログを見る 官庁

    諸君 私はデータが好きだ - こら!たまには研究しろ!!
  • 今時こんな人がいたなんて…… - こら!たまには研究しろ!!

    専門家・学識者を審議会などに呼んでその意見を採り入れるというのは悪いことではないと思います.しかし,「「塾の禁止」を主張、教育再生会議の野依座長」のニュースにはびっくりしました.今時こんなアナクロな考え方をする人がいたなんて……. ノーベル賞を取ったからといっても教育に関しては素人な訳です……それにしても,教育再生会議のメンバーに教育学者が一人もいないというのは実に不味い.大企業の社長と経済学者*1+よくわかんない文化人では現状認識も不十分になるだろうし,その結果自分が教育を受けた時代への批判と郷愁に終わってしまいそうな悪寒. 議事要旨を見る限り,塾禁止論はさすがに賛同者が少ないようですが,「塾や予備校は詰め込み」という非常にずれた見解を披露してくれています.僕自身はこれとは正反対の感想を持っています. 僕が塾に行ったのは小4から小6(四谷大塚とその準拠塾)と高3(河合と駿台)ですが,思考

    今時こんな人がいたなんて…… - こら!たまには研究しろ!!