秋学期の試験も終わり、成績評価を提出すると大学職員は、一年の最大の山場である入試を前に慌ただしくなってくる。と同時に教員も、休みの間に自分の研究ができればいいのだけど、期末に向けた予算処理や、次年度の講義準備でいっぱいいっぱいというのが現実だ。僕も今年度からは継続的に講義を持つことが可能になったので、これまで以上に試験の答案の分析に力を入れている。といってもテキストマイニングをするとか、そんな高度な話ではないのだけど。 そもそも大学の講義というものは毎年生徒が入れ替わるし、これまでは教える講義も1、2年で変わっていたので、そうした分析は、教員の側にとって「こういう教え方をすると、こう誤解されるおそれがある」とか、「どこの大学に行っても、こういう答案が出てくる傾向にある」とか、そういう勘どころをつかむために行うものになる。たとえば講義で著作権について話をすると、そのテーマを選んできた答案では