5月末決着 首相の言葉を誰も信じない(5月15日付・読売社説) 米軍普天間飛行場移設問題で鳩山首相が約束した「県外移設」に続き、「5月末決着」も事実上反故(ほご)になっている。 首相は13日、「6月以降も努力する」として、5月末決着の断念を表明した。それが、また14日には、月末決着へのこだわりを示したりもしている。 こうした右往左往ぶりをみて、首相の言葉を信じられなくなった人も多いだろう。「5月末決着」を信じている国民は、ほとんどいるまい。 首相は、普天間移設問題の「決着」の意味について、「沖縄、移設先の自治体、米国、与党すべての同意」を挙げてきた。 結局は、それぞれの同意取り付けに、ことごとく行き詰まり、「決着」という言葉の定義を変換させざるをえなくなった、というのが実態だろう。 指導者には、こじれた問題の解を見いだす力や、それを実行に移す決断力が不可欠だ。首相にはこれらの資質が不足して