「通貨ユーロが、1930年代の金本位制と同じ道をたどっている」――。 最近、こんな指摘がよく聞かれるようになった。しかも、その理屈は説得力を増しているようだ。だが、ユーロの運命を告げるこの指摘は正しいと言えるだろうか。 金本位制と比較される理由 1929年に株式市場が大暴落した後、大規模なデフレショックが欧州を襲った。生産は落ち込み、大量の失業者が街にあふれた。各国政府はリフレーション政策*1で協調することができず、個別に対応策を取った。欧州諸国は相次いで金本位制を捨て、通貨を切り下げた。こうして信用を緩和し、各国は順次、大恐慌から抜け出していった。 *1=デフレの状態から抜け出すために、金融緩和政策によって意図的に通貨の量を膨らませ、インフレのような状態を創り出すこと 今日、再び大規模なデフレショックが欧州を襲っている。今回、リフレーション政策の足かせとなっているのはユーロだ。各国は切り
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