(2013年7月10日付 英フィナンシャル・タイムズ紙) 西側諸国は中国に怯えている。しかし、中国の目にはこの世界がどのように映っているのかということに、西側諸国が着目することはめったにない。確かに、中国は経済の面で長足の進歩を遂げた。だが、中国人が今も目にしているのは、先進国に牛耳られている世界経済だ。 中国の視点から世界を眺めることができる数少ない西洋人の1人に、ケンブリッジ大学のピーター・ノーラン教授(中国発展論)がいる。昨年上梓された示唆に富む著作*1の中で、ノーラン教授は中国に対する大きな恐怖感の1つを取り上げた。つまり、中国が世界を買っている、という不安である。 中国は世界を買ったりしていない、我々は中国の中に入り込んでいるが、中国は我々の中に入り込んでいない――というのが、教授の答えだ。 これがどういう意味なのかを理解するには、技術進歩を原動力にグローバル経済の統合が進んだ過
TOP > 記事一覧 > 第1回 J Prep 斉藤塾代表・斉藤淳さんに聞く ―「自由に生きるための学問」としてのリベラル・アーツ、 「学問の手段」としての英語― 2013/07/08 12:00 第1回 J Prep 斉藤塾代表・斉藤淳さんに聞く ―「自由に生きるための学問」としてのリベラル・アーツ、 「学問の手段」としての英語― 元衆議院議員、政治学者で元イェール大学政治学科助教授、2011年第54回日経・経済図書文化賞を受賞……。いわゆる「英語塾の経営者」としては異色の経歴を持つ斉藤淳さんとの出会いは、かれこれ3年近く前のtwitter上でのことだった。 その頃彼は、イェール大学政治学科助教授として、キャンパス内の寮で学生たちと一緒に暮らしながら、教育者としての日常について、また、政治学者としての鋭い洞察をtwitter上で活発に呟いており、その内容、特に、米国と日本とのリーダーシ
TOP > 記事一覧 > 第2回 J Prep 斉藤塾代表・斉藤淳さんに聞く ―「自由に生きるための学問」としてのリベラル・アーツ、 「学問の手段」としての英語― 2013/07/10 12:00 第2回 J Prep 斉藤塾代表・斉藤淳さんに聞く ―「自由に生きるための学問」としてのリベラル・アーツ、 「学問の手段」としての英語― 第2回 高等教育への認識が変わったアメリカ留学体験 岩渕: 斉藤さんは高校を卒業して、まず、日本で大学へ進学されたわけですが、高校と大学では、教育のあり方に違いはあったのでしょうか? 斉藤: 大学に行っても楽しくないので、バイトしてお金貯めて海外旅行を繰り返していました。周りの学生もとにかくやる気がないし、先生も学生も授業を舐めきって、真剣に授業をしているとは思えない印象がありましたので、ドロップ・アウト寸前でした。ですが、せっかくここまできたのだから海外に
1980年代の日本はこんなに面白かった! アイドル小泉今日子が生まれた時代 座談会出席者 皇達也×高橋隆×中森明夫 『あまちゃん』には'80年代を彷彿とさせるシーンがしばしば登場する。アキの母親役・小泉今日子がアイドルだったあの時代。歌番組が全盛で、聖子に、明菜に、そしてキョンキョンにみんな夢中だった。 反逆する少女 中森 NHKの連続テレビ小説『あまちゃん』で、主人公・アキ(能年玲奈)の母・春子を、小泉今日子さんが演じています。 10代のころにアイドルを目指していたが、夢破れた主婦という設定です。面白い役柄ですよね。 皇 キョンキョン自身はアイドルとして大成功を収めた人ですからね。 中森 物語冒頭シーンの設定は1984年。その時、春子は18歳で、部屋にチェッカーズやなめ猫のポスターが貼ってある。'80年代の雰囲気が忠実に再現されていて、僕のような50代には懐かしい限りです。『あまちゃん』
当連載の第7回「『出口政策失敗の教訓』を考える」では、今回の量的緩和からの出口政策の事例として、1936年半ば以降という戦前の米国の経験を振り返っている。そこでは、「早すぎる出口政策」が、米国経済を再び景気低迷に陥らせてしまう懸念があること、そして6月19日のFOMC後のバーナンキの記者会見(早期の出口政策実現に向けての積極的な発言)は、「早すぎる出口政策」のリスクを高めたことについて、やや警戒感を強めるトーンで言及した。 米国経済は、確かに着実に回復し、リーマンショック以前の「正常な」経済状況に戻りつつある。また、最近の雇用環境の改善や住宅市況の改善をみると、そのペースは、徐々に加速しつつあるようにも見える。しかし、家計や企業のデ・レバレッジ(負債削減を最優先した経済行動)や銀行貸出の低迷は続いており、「危機を脱したばかりの『病み上がり経済』という状況が続いている」というのが、筆者の考え
7月10日(2013年)、国家公務員制度改革推進本部とその事務局がなくなった。5年前の08年6月13日に国家公務員制度改革基本法が施行され、7月11日に同法に基づき国家公務員制度改革推進本部が設置された。その措置は5年間の時限があり、その期日が到来したのだ。 この法律と推進本部で国家公務員改革は進むはずだった。ところが、5年経っても何も変わっていない。しかも、国家公務員制度改革基本法が事実上、消滅した。霞ヶ関官僚にとって、これがどれほど喜ばしいことか目に浮かぶようだ。 5年以内で「改革は終了」のはずだった 最近の政権における国家公務員改革の経緯をおさえておこう。 第1次安倍内閣では、国家公務員法改正によって天下り規制、能力実績主義が盛り込まれた。 福田政権では、第1次安倍政権の時に検討された国家公務員制度の総合的改革が法制化され、国家公務員制度改革基本法が制定された。この法律はプログラム法
参院選の投開票日が迫ってきた。ほとんどのメディアは与党勝利を予想している。こうなると有権者も選挙への関心が冷めてしまい、投票率の大幅低下が心配になるような展開だ。それを前提に、固い組織票をもつ公明党や共産党が善戦するのではないか、という見方も有力になっている。 本当に、今回の参院選は「つまらない選挙」になるのだろうか。私はそう思わない。たとえ投票率が下がったとしても、長い目で見ると、実は日本政治に深い影響を残す選挙になるのではないか、と見ている。 大げさに言えば、時代を画すエポックメイキングな選挙になるような予感がするのだ。 今回の選挙で問われているのは経済成長 なぜかといえば、そもそも政治の目的の一つである「経済成長」が問われているからだ。この大問題について、与党と野党第1党である民主党の考え方はまったく異なっている。その点がはっきりしたのは、安倍晋三首相と海江田万里民主党代表の日本記者
1963年、福岡市長浜生まれ。1990年、東京理科大学大学院修士課程(物理学専攻)修了後、電機メーカで半導体デバイスの研究・開発に10年間従事。在職中より執筆活動を開始、2000年より著述業に専念。主な守備範囲はコンピュータ全般。2004年、運動障害が発生(2007年に障害認定)したことから、社会保障・社会福祉に問題意識を向けはじめた。現在は電動車椅子を使用。東京23区西端近く、農園や竹やぶに囲まれた地域で、1匹の高齢猫と暮らす。日常雑記ブログはこちら。 生活保護のリアル みわよしこ 急増する生活保護費の不正受給が社会問題化する昨今。「生活保護」制度自体の見直しまでもが取りざたされはじめている。本連載では、生活保護という制度・その周辺の人々の素顔を知ってもらうことを目的とし、制度そのものの解説とともに、生活保護受給者たちなどを取材。「ありのまま」の姿を紹介してゆく。 バックナンバー一覧 2
(2013年7月11日付 英フィナンシャル・タイムズ紙) 今後6カ月から12カ月のうちに、ドイツの納税者はまず間違いなく、ギリシャのために追加の救済資金を出すよう求められる。また、何か劇的なことが変わらない限り、ポルトガルのためにも追加の資金拠出を要求されるだろう。 そして、ギリシャ政府に対する既存の救済融資はどうなるのだろうか? ドイツのアンゲラ・メルケル首相は、ギリシャの債権者が追加の損失を負わされることはないと主張している。 ギリシャ向けの追加支援はまず避けられないのに・・・ だが、きちんと計算した人なら誰でも、このような「ヘアカット(債務減免)」なしに、ギリシャの債務水準を、約束通りに2022年までに国内総生産(GDP)比110%以下に引き下げることはほぼ不可能だということが分かるはずだ。ギリシャの民営化プログラムが2014年までに予定された45億ユーロを生み出す状態とは程遠いこと
(英エコノミスト誌 2013年7月6日号) 研究者たちは、臓器の再生という古くからの夢をまだ実現していないが、徐々に実現に近づいている。 ゼウスによって岩に縛り付けられた巨神プロメテウスは、毎日ハゲタカに肝臓をついばまれるという責め苦に耐えながら、結局、毎晩臓器が再生された。この光景に比べると、7月初めにネイチャー誌のウェブサイトに掲載された動画は、全く面白味のないものに見える。動画はピンク色の点の一群が濃い色の中央の塊に凝縮されていく様子を映し出している。 だが実際には、とてつもなく大きなことが起きている。ピンク色の点は幹細胞で、この動画は、いずれ肝臓のように見え、肝臓のような機能を果たし得る肝芽の成長過程を示している。動画を制作した横浜市立大学の武部貴則氏と谷口英樹氏は、機能的なヒト肝臓組織を作り出したのだ。 研究者たちは長年、幹細胞を使い、損傷した組織を修復したり、置き換えたりするこ
暑い。 時空が歪むような暑さだ。 気象庁のまとめによれば、最高気温が35度以上になる猛暑日の全国の年間日数は、過去40~50年間で3倍近くに増えているらしい(こちら)。 実感ベースでは、より顕著だ。 私が子供だった当時は、7月中でも、最高気温が30度を超える日はそんなに多くなかった。であるから、温度計が30度の線を越えると、その日は、無条件に「暑い日」に認定されていた気がする。 気温が35度に達するような異常事態は、数年に一度しかやって来ない特別な一日だった。それが、この数年は、人死にが出るような猛暑が何日も続くことが当たり前になっている。残暑が長引く傾向も気になる。真夏の暑さが9月いっぱい続く感じだ。 で、今年は、どうやら、そのどうにも手に負えない夏の盛りが、半月ばかり前倒しで、既にやって来ている。 私の記憶では、昭和の時代に、7月上旬の段階で(つまり小学生が夏休みに入る前に)35度を超
張本勲氏、ダルビッシュに苦言 「文句があるなら日本に帰ってきて直接言え!」 1 名前: ターキッシュバン(北海道):2013/07/11(木) 20:21:40.53 ID:jL/g62ws0 張本勲氏「ダルはオレに直接文句言え」 ツイッターでの「口撃」に週刊誌で反論 野球評論家の張本勲氏が米大リーグ、テキサス・レンジャースのダルビッシュ有投手に苦言を呈した。発端は自身のテレビ番組での発言。これにダルビッシュ投手がツイッターで「反撃」したのだが、どうもそのやり方が気に入らないようだ。 「週刊文春」の取材に張本氏は、ダルビッシュ投手が言いたいことがあるのなら「私の目の前で言いなさい」と主張した。 「場外バトル」は、張本氏がトロント・ブルージェイズでプレーする川崎宗則選手に対する厳しいコメントが開始のゴングとなった。レギュラー出演する「サンデーモーニング」(TBS系)で2013年6月2
昨日の山陽新聞紙面より。 昨年から建設業における労災が増加傾向らしい。原因は需要増による人手不足。人を増やそうにも、ここ15年間による景気低迷や公共事業の削減により人を減らした結果、最近の需要増に対応し切れていない様子が書かれています。 簡単に人は増やせないだろうし、これはどうすればいいんだろう?本当にデフレは害しか生まんよなあ。
黒猫亭 @chronekotei ありゃまあ、またえらいことを言い出しましたね。/自民党の片山さつき議員、【さつきチャンネル】にて児童ポルノ法について語る - 二次元規制問題の備忘録 http://t.co/sMl4bu72OT リンク 二次元規制問題の備忘録 自民党の片山さつき議員、【さつきチャンネル】にて児童ポルノ法について語る : 二次元規制問題の備忘録 自民党の片山さつき議員が、2013年7月5日、ユーチューブ「さつきチャンネル」にアップされた動画の中で、児童ポルノ法について意見表明をしていました。その部分をノーカットで文字起こししました。文字起こしする動画:http://satsuki-katayama.livedoor.biz/archives/79515
アベノミクス・第3の矢に続く「第4の矢はないのか」という議論が盛んだ。先日、出演した読売テレビ『たかじんのそこまで言って委員会』でも「あなたが考える第4の矢を提案してください。ゲストの安倍晋三首相がグランプリを決めます」という企画があった。 そこで、今回は「第4の矢」を考えてみる。 その前にまず第3の矢、すなわち成長戦略だ。安倍内閣は6月14日に日本再興戦略(詳しくはこちら。PDFです)と経済財政運営と改革の基本方針(いわゆる骨太の方針、詳しくはこちら。PDFです)を閣議決定した。 この2つの文書はセットになっている。前者が第3の矢に相当し、後者は戦略のエッセンスも含んでいるが、主に財政政策について基本的な考え方を記している。 両方合わせて計130ページと大部だ。各メディアは結構なスペースを割いて報じたが、さて全文を読んだ記者がどれだけいるかとなると、実はほとんどいないのではないか、と思え
フィギュアスケートの安藤美姫選手が未婚で女児を出産していたことについて、週刊文春が「緊急アンケート! 安藤美姫選手の出産を支持しますか?」(参照)としてをインターネット上でアンケートを実施し、話題になっていた。いや、話題というよりは、文春への批判で炎上と言ってもよいような光景があった。 ネットでの典型的な批判は、この件で注目されていた弾小飼さんのブログのエントリー「あなたはあなたの母があなたを出産したことを支持しますか?」(参照)で読める。まず、こういう切り出しだった。 むしゃくしゃして書く。後悔のやり方は知らない。 緊急アンケート!安藤美姫選手の出産を支持しますか? | お知らせ - 週刊文春WEB この突然の告白に対し、出産を祝福する声が上がると同時に、まだ結婚しておらず、父親が誰かも明かさないことへの疑問や、子育ても競技も中途半端になるのではないかなどの批判もあります。そこで、下記ア
中国の「シャドー・バンキング(影の銀行)」が注目を集めている。というのは、リーマン・ショックのような大規模の金融危機が起こるかどうかのギリギリのところに中国があるからだ。 以前の本コラムで指摘したように、シャドー・バンキングへの対応でやるべきことは業者規制であって、金融政策ではない。 中国は一党独裁の社会主義国なので、業者規制はお手のものと考えるのが自然だ。だから、自由な経済活動が前提で規制が難しい資本主義国より、シャドー・バンキング対策が簡単だろうと思いがちである。しかし、中国独特の政治環境を考えると、これがなかなか大変なのだ。 人口13億人の中国を中央集権で統制することはできないので、地方政府は事実上、かなりの自由度を持っている。それを建前として一党独裁の中央集権体制で覆っているのが実態だ。そして金融では、金利規制の厳しい国営銀行の間隙を縫って、規制の緩いシャドー・バンキングが発
中国が東シナ海での共同開発に関する日本との合意を破る形で新たな資源開発を始め、日中関係に新たな対立の炎を招いた。だが中国は同時に米国の排他的経済水域(EEZ)内部でも軍事行動を開始したことを初めて宣言し、米側を緊張させている。いずれの出来事も共通項は中国の海洋戦略の過激な拡大である。 EEZとは1994年発効の国連海洋法条約で、沿岸から200カイリの範囲内で沿岸国の経済開発の主権を認めた水域である。ただし軍事的活動には沿岸国の主権は適用されず、各国とも軍艦などは相互のEEZ内で自由に活動させてきた。 だが中国は大陸棚の末端までを自国のEEZだと宣言するだけでなく、他国の軍事活動への主権も主張し、自国のEEZ内の他国の軍艦の航行などに事前の承認を求めてきた。米国など各国はその要求を一方的だとして排し、中国EEZ内での軍事活動を続け、対立の原因ともなってきた。 ところが中国国防省外事弁公室の周
参院選の争点は、経済政策でアベノミクスの是非になっている。 自民党公約の経済政策について、「アベノミクスの「3本の矢」を一体的に推進するとともに、「経済再生と財政健全化の両立」に向けた取組みを通じて、デフレからの早期脱却とともに、持続的成長への道筋を確かなものにします」、「今後10年間の平均で、名目GDP成長率3%程度、実質GDP成長率2%程度の成長実現を目指します」と書かれている。 連立の公明党は、具体的な数字を上げていないものの、アベノミクス推進の立場である。 野党の金融政策への主張 アベノミクスに対して野党の意見は二極化している。第一の矢である金融政策について、民主党の海江田万里代表は「打ち上げ花火。物価が上昇している品目をあげたらきりがない」、共産党の志位和夫委員長は「アベノミクスは国民の所得を奪う『毒矢』ばかりだ。アベコベミクスだ」、生活の党の小沢一郎代表は「物価高によって、国民
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