来年度からの実施が決まった法人税の実効税率引き下げをめぐり、最大の焦点となっている代替財源の確保に向け、お盆明けから財務省が、経済界への根回しに動き出した。主に経団連副会長会社に対し、説明行脚に乗り出している。税率を下げる代わりに、研究開発を増やした企業などの法人税を減らす政策減税(租税特別措置)の縮小などで「広く薄く」税負担を課すことに、いち早く理解を取り付けるのが狙いとみられる。秋の本格議論を前に、財務省の“本気度”が見えてきた。 財務省の幹部が、トヨタ自動車や日立製作所、三菱東京UFJ銀行など経団連副会長会社を中心に面会を始めた。代替財源抜きに法人税減税を行えば税収に大きな穴が空くため、財源の確保が不可欠との呼びかけを強めているとみられる。 財務省の試算によれば法人実効税率(標準税率で34.62%、東京都は35.64%)を1%下げると4700億円の税収減になる。これは、国の税収の1%