生物進化に方向性を与える主要な要因は自然淘汰である、と言う点では両者とも一致しています。 ドーキンスは「ある性質が残るかどうかはその性質の適応度によるところが大きい」と言っており、 グールドの主張は「どの性質が残るかは、適応度はもちろんそうだけど、偶然にも大きく左右される」と言うことです。 (生物は「性質の固まり」と解釈できるので、この場合「性質」を「生物」と置き換えしてもOKです) それとグールドは、進化は漸進的に起こるのではなく、急速な進化(数万年単位)と停滞(数百万年単位)を繰り返すという説も唱えています。もっともその説はドーキンスらも否定しているわけではなくて、むしろ常に同じ程度で進化が続くわけはないじゃないと考えています。進化が起きる速度(特に表現的性質の変化が起きる速度)は淘汰圧の強さによると考えられています。(生まれた子が多く生き残る生物では進化ががゆっくりと、ほとんどが死ぬ