ドラッカーは概念をえぐり出す力もすごいが言葉を紡ぎ出す能力もすごい。ドラッカーの自伝の「ドラッカー20世紀を生きて 私の履歴書」を読んだのだけれど、そこにドラッカーの作った言葉(造語)というのが紹介されていて、それらは「分権化」「目標管理」「知識労働者」「民営化」などだそうだ。 特に「民営化」というのがすごい。1980年代からこの言葉を聞かなかった年はないくらいだが、まさかドラッカーが作った言葉だとは知らなかった。ドラッカーは、社会を見通して今何が欠けているかを洞察し、そこから新しい考え方(概念)をえぐり出して、それをパズルのように当てはめたのだろう。そして、そこに適当な言葉を付与した。それは、新しい概念を広め、根付かせるには必要不可欠なことだった。新しい考え方、概念には、新しい言葉が必要だったのだ。それは、本にタイトルが必要なように、新しい考え方や概念を考えること、伝えること、広めること