‥‥という言葉から、一見地味な女のクローゼットの引き出しの中が、色とりどりの勝負下着でお花畑のようになっている‥‥という実に安易な連想しか働かなくなってしまった私だが、その昔、ある引き出しの中にそれとは違う「お花畑」を発見したことがあった。 その光景は40年経った今でも、微かな罪悪感とともに脳裏にくっきりと残っている。なぜ罪悪感なのかと言えば、その「お花畑」を私は盗んだからだ。妹と一緒に。 私の家は父が大変厳しくて、漫画を買うことは禁じられていた。その頃(昭和30年代の終わりから40年代)の『少女フレンド』や『りぼん』や『別冊マーガレット』といった少女漫画雑誌には、バラやスミレの花に囲まれた可愛い女の子のシールがよく付録についていて、それを集めるのが友達の間で流行っていた。私もそういう可愛いシールが欲しくてたまらなかったが、手に入らないのでたまに友達がくれるのをもらっていた。それを一生懸命
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