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ブックマーク / ichinics.hatenadiary.com (78)

  • 「愛は負けるが親切は勝つ」 - イチニクス遊覧日記

    昨年末、毎年今年の映画を話す会をやってる友人たちと「次はエブエブで会おう」という約束をしていたのが叶って、公開した週末に一緒に観に行くことができた。 3人一緒に映画をみるのはなんと「エターナルズ」ぶりで、すごく昔のことのようなのに、あれもすでにコロナ禍だったんだと思うと時空が歪んでいるような気分になる。 さらに、この日は友人がバルトに予約をとってくれたんだけど、私が新宿で映画を見るのはなんと3年ぶりだった。 コロナ禍前は新宿バルト9や新宿TOHOは行きつけの映画館だった。仕事帰りに寄ることも割とあった。 しかし、この3年で都心から足が遠のいたこと、さらには引っ越してからは立川方面を向いて生活することが増えた(なにしろ映画館がたくさんある)こと、そして文鳥を飼い始めたのであまり夜に出歩かなくなったこと(文鳥の安眠のために出歩くのであればそれなりの準備がある)で、すっかり新宿から足が遠のいてし

    「愛は負けるが親切は勝つ」 - イチニクス遊覧日記
  • 小林賢太郎さんのこと - イチニクス遊覧日記

    先日、外で昼をとっていると、近くの席に座っていた大学生くらいの2人組が「出会いがない」と嘆くのが耳に入った。久しぶりの外で、人の会話が聞こえてくることすら嬉しく、ついつい聞き耳を立ててしまう。 「授業もないし、イベントもないし」「バイトは?」「いない。バイト変えるしかないかぁ」 そう言って、今恋人がいたらしたいことをあれこれ話していた。 「浴衣着たい」「海かプール」「夏だけでもいいから止まんないかな〜」「去年も行ってないのに、海」 軽快な会話に、ほんとだよ、と心の中で相槌をうつ。 あんたは大学生活コロナじゃなかったでしょ、と言われるかもしれないけれど、誰にとっても今年の夏は1度きりだ。 そんな気分を引きずっているので、近頃はどうもテレビをつける気になれない。 開会式の日に、妹の引越し祝いで両親にも会ったのだけど、四六時中テレビ漬けな父はすぐさまテレビの前に陣取ったものの、他は皆、なんと

    小林賢太郎さんのこと - イチニクス遊覧日記
  • 「死ぬまでに行きたい海」とカチューシャの記憶 - イチニクス遊覧日記

    佐知子さんのエッセイ集「死ぬまでに行きたい海」を昨年末に読んだ。 自分も知っている場所の話がでてきくるのも楽しいし、行ったことのない場所も、気になっていた場所である率が高く(YRP野比や海芝浦など)、さらに田舎の思い出(丹波篠山)などは、自分が幼い頃に行った父方の田舎である広島の記憶と混じり合うような感じがして面白かった。 それはおそらく、自分の中の「田舎の引きだし」を参照しながら読んでいるからなのだろう。文章を読むということは、純粋な想像だけでは難しく、往々にして自分の知識や記憶を参照しながら読むものだ。そうして、普段の生活ではなかなか触れることのない記憶に触れるとき、私は気持ちが良いと感じる。 死ぬまでに行きたい海 作者:岸 佐知子発売日: 2020/12/01メディア: 単行 書籍のサイトには「岸佐知子とつくる“些細な記憶”の地図」というものも作られていて、いろんな人の「些

    「死ぬまでに行きたい海」とカチューシャの記憶 - イチニクス遊覧日記
  • タイムマシン - イチニクス遊覧日記

    「匂いには記憶がひも付きやすい」と聞いたことがあるけれど、音楽もまた、そのような記憶再生機であると思う。 数年前、PCの故障でそれまでに取り込んでいた音楽データが取り出せなくなって以降、iPhone音楽を聞くにはもっぱらAppleMusicを使っている。使ってみれば思いついたときに、好きなアルバムをダウンロードして聞けるのでとても便利だ。 昨晩、眠るまえにふと思いついてRadioheadのアルバムを数枚ダウンロードした。どれも学生時代から長く聞き込んだアルバムだけれど、古いアルバムについてはここ数年聴いていなかった。 それはおそらく、そこに紐づいている記憶をあまり再生したくない気分だったからだと思う。そしてもう、それも薄れたかと思っていた。 けれど今朝、久しぶりに「KID A」を聞きながら、思い出された記憶はいまも鮮明だった。 表題曲「KID A」のイントロを聴いたのは、当時バイトしてい

    タイムマシン - イチニクス遊覧日記
  •  「RAPID COMMUTER UNDERGROUND」/座二郎 - イチニクス遊覧日記

    RAPID COMMUTER UNDERGROUND (ビッグコミックススペシャル) 作者: 座二郎出版社/メーカー: 小学館発売日: 2014/07/30メディア: コミックこの商品を含むブログ (4件) を見る大学1・2年生の頃は、2時間電車に乗って大学に通っていました。新宿から西武新宿線に乗り換えると、あとはもう大学の最寄り駅まで乗り換えはない。通勤ラッシュと逆の方向を向いて走るがらんとした黄色い電車は、私にとってはもうひとつの自分の部屋のような空間でした。その電車の中でわたしはいったい何冊のを読んだだろう。週誌も5?6誌は購読していて、それをしっかり読み切れていたのも西武新宿戦という「書斎」のおかげだったと思います。著者が通勤電車の中で描いたというこの『RAPID COMMUTER UNDERGROUND』を読んでまず思い出したのはそんなことでした。電車が書斎であるということ。そ

     「RAPID COMMUTER UNDERGROUND」/座二郎 - イチニクス遊覧日記
  •  向こう側はちゃんとある - イチニクス遊覧日記

    この日記を書き始めて、いつの間にか9年と半年近くが経っていました。一つひとつの文章を書いているときはほとんど意識していなかったけれど、改めて振り返ると9年と半年って、ものすごく長い年月だなと思う。 日記を始めた頃は、自分の日記を読んだことのある誰かと直接会ったりするなんてことを想像していなかった。だからこそ、今まで面と向かって人に話したことがなかったようなことを(それは映画の感想でも)書きたいだけ書こうと思っていたし、書きたいことはいくらでもあった。読み返すと気恥ずかしいような文章もたくさんあるけれど、それはとても切実なことだった。 同じくらい、私は顔も知らない誰かの日記を読むことが好きだった。まだブックマークもなかった頃で、どうやって新たな日記を知っていたのか忘れてしまったけれど(キーワードかな?)、何らかの形で知った誰かの日記の更新を楽しみに待ち、読んで考えたことをまた自分の日記に

     向こう側はちゃんとある - イチニクス遊覧日記
  •  夜とコンクリート - イチニクス遊覧日記

    これは一生ものだと思う物語に出会うことはそう多くはないけれど、その瞬間はとてもはっきりしていて、を閉じて立ち上がってうろうろしたあとにすごいすごい、しか言えない感じ。 この(というかその話)を読み終えた瞬間もまさにそんな具合で、「一生ものだ」なんて、まだ一生を終えてもいないのに確信してしまうくらいこのは自分にとっては特別なになりました。 なので、全力でいろんな人におすすめしたいのですが、同じ町田洋さんの「惑星9の休日」とも違い、この「夜とコンクリート」についてはできるだけ、予備知識なしで読みはじめた方がしっくりくると思うので、興味のある方はぜひ以下の文章は読まずに、まず「夜とコンクリート」を読んでみて欲しいです。 夜とコンクリート 作者: 町田洋出版社/メーカー: 祥伝社発売日: 2014/02/03メディア: コミックこの商品を含むブログ (19件) を見る昨年末のベスト10日記

     夜とコンクリート - イチニクス遊覧日記
    murashit
    murashit 2014/02/25
    むちゃくちゃ良かったです……
  •  2013年の漫画!! まとめとベスト10 - イチニクス遊覧日記

    2013年まとめ 今年はすごかったです。 年末に面白かった漫画ベスト10を書き始めて9年(!)経ちますが、今年は個人的に人生ベスト級の作品が何冊もあった年になりました。嬉しい。それについては後述するとして、 個人的に特に印象深かったのは、まず志村貴子さんの長期連載作品「放浪息子」と「青い花」の完結です。どちらも、この2作品に登場するキャラクターたちの成長をしみじみ思い返したくなるようなラストでした。 それから「にこたま」や「坂道のアポロン」などの人気作も完結しましたね。すぐに新連載がはじまるところに勢いを感じます。楽しく読んでますありがとうございます。 それからたとえば2011年がえすとえむさんがブレイクした年、だとしたら、今年は、いがわうみこさんがブレイクした年、なんじゃないかなーと思います。「虹の娘」は特によかった。 新しく知った作家さんでは、庄司創さん、奥田亜紀子さん、町田洋さんが圧

     2013年の漫画!! まとめとベスト10 - イチニクス遊覧日記
  •  人生は続く/「放浪息子」の完結について - イチニクス遊覧日記

    2003年に出た1巻から10年。ついに「放浪息子」の完結巻が発売されました。 放浪息子 15 (BEAM COMIX) 作者: 志村貴子出版社/メーカー: エンターブレイン発売日: 2013/08/28メディア: コミックこの商品を含むブログ (32件) を見る表紙を見ると、おおきくなったニトリくんと高槻くんがいて、10年分、彼らの成長を見てきたんだなあって感慨深い気持ちになる。正直、物語の進みが行ったり来たりしているように感じたところもあったし、この物語がどう決着つくのか全く想像できてなかった。ただ、いろんな物語を読むときに、この子は千葉さんに似てるとか高槻くんに似てるとか、まるでいつかのクラスメイトや近所の子みたいに思うことが増えていって、 だからこの最終巻を読んで、彼らの成長の延長線上に、物語が幕を閉じたこをとても嬉しく思いました。 私は1巻を読んだときの感想に、「与えられる性別につ

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  •  「みどりの星」1巻/真造圭伍 - イチニクス遊覧日記

    みどりの星 1 (ビッグコミックス) 作者: 真造圭伍出版社/メーカー: 小学館発売日: 2013/06/28メディア: コミックこの商品を含むブログ (22件) を見る面白かった!! 配達の途中に航行不能になってしまった宇宙船から脱出したひまわりうんゆの配達員が不時着したのはなんとカエルの星。気のいいカエルたちに囲まれて暮らしながらも、どうにか脱出する方法を模索していた主人公は、ある日この星に自分以外にも人間がいると知って…というのが1巻のあらすじ。 これまでの作品もいいなと思いながら読んでいたのですが、どちらかというと1つのシチュエーションを描いたお話が多かった気がするので、まさかSFが来るとは思わなかった。 動きのあるコマが多くて、特に後半のボーイミーツガールからの見開き跳躍シーン(p162‐163)は最高でした。 なんていうか、黒田硫黄の「大日天狗党絵詞」を初めて読んだ時のわくわ

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  •  「きっと、うまくいく」 - イチニクス遊覧日記

    170分という上映時間にちょっと尻込みしていたのですが、この人が面白いって言うなら見逃す訳にはいかないなーというのがいくつか積み重なって、とうとう見に行ってきました。思い切っていってよかった! ってにこにこしながら帰りに1人で1杯飲んで帰ってしまうくらいの最高な映画でした。 物語は、インドの工科大学生の現在と過去を行き来しながら描かれる青春群像。主人公の3人組(ファルハーン、ラージュー、ランチョー)がまた最高で、映画を見終わる頃にはすっかり彼らを知らない気がしないというか、いつかの友だちだったような気持ちになってしまいました。 進路に対する重圧、大学の構造、勝つための勉学への批判など…インドの若者が今抱えている問題として描かれる題材は、青春映画として普遍的なものだと思う。そして、それを学ぶことの楽しさや友情で乗り越えて行くというのもまた定番。ランチョーが繰り返す「アール・イーズ・ウェル(き

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  •  「にこたま」完結と「ボーダー」/渡辺ペコ - イチニクス遊覧日記

    読みながら凹むことの多かった「にこたま」ですが、それだけにとても印象に残った作品で1巻からずっと、新刊を楽しみにしてきた作品でもありました。 にこたま(5) <完> (モーニング KC) 作者: 渡辺ペコ出版社/メーカー: 講談社発売日: 2013/04/23メディア: コミックこの商品を含むブログ (14件) を見る1巻が出た頃の自分の生活と重ねていた部分とかを思い出したりして、そこから5巻分の今の自分とか、物語とは全然別の感慨を抱いたりもして、でも続けて漫画を読むことの楽しさって、そういうところにあるのだとも思う。 2巻の感想(id:ichinics:20100926:p2)に、「続きがどうなるのか、読むのが怖い気もするけど、渡辺ペコさんならなんとなく、腑に落ちるところまで結末をもっていってくれるような気がしてる」と書いていたけど、ほんとにその通りの完結だったと思います。 個人的には、

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  •  変身のニュース/宮崎夏次系 - イチニクス遊覧日記

    読みながら「これは…!」って気持ちが高まったときって、つい、読んでいる途中にを閉じて立ち上がりたくなるのですが、この「変身のニュース」はまさしくそんなでした。短編集なのですが、1話めを読み終わった瞬間にいてもたってもいられなくなり、その後も1話読み終わるごとに、を閉じて余韻に浸っていました。 変身のニュース (モーニング KC) 作者: 宮崎夏次系出版社/メーカー: 講談社発売日: 2012/11/22メディア: コミック購入: 6人 クリック: 68回この商品を含むブログ (24件) を見る正直なところ、表紙だけ見た段階ではちょっと迷っていて、数回見送った後に、でもやっぱり気になるって思って買った1冊でした。買ってよかったです。 すこし不思議SFなお話が多いけど設定を説明することなくそういうものとして描く軽やかさがとても気持ちいい。 例えば主人公がある女性に好意を抱いているというこ

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  •  遠くの町の灯/「シティライツ」 大橋裕之 - イチニクス遊覧日記

    夜に見下ろす町の灯りは、海の底に沈む宝物のように遠くはかない…というような場面を、詩か小説かなにかで読んだことがあるのだけど、町の灯りとはそのように遠くから眺めたときにはじめて、特別に思えるものなのかもしれない。そんなことを、寒空のしたベンチに腰掛けているときのようなしみじみした気持ちで考えているのは「シティライツ」が完結してしまったからなのですが、私はこの漫画がとても好きでした。過去形なのは、既に好きでしたという意味です。 面白い!とか、うまい!とか、さけびたくなる感じとはちょっと違うんだけど、例えば、ずっと昔の恥ずかしい失敗を思い出して、こっそり笑いつつ、でもあれは失敗ではなかったかもしれないと考える時のような、愛しさと切なさと情けなさと眩しさが入り交じった漫画で、そういうところが特に好きでした。 この最終巻では特に最後の2作品がよかった。 「ハンカチーフ」は、最後の大ゴマトーン遣いに

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  •  「ここは退屈迎えにきて」/山内マリコ - イチニクス遊覧日記

    ここは退屈迎えに来て 作者: 山内マリコ出版社/メーカー: 幻冬舎発売日: 2012/08/24メディア: 単行購入: 9人 クリック: 100回この商品を含むブログ (68件) を見る“女の子”が主人公の、少しずつ繋がった連作短編集。どの話も、自分の身近にいる誰かや友だちや自分自身の話のようで、読み終わった後、誰かに感想を話したくなるでした。 何かのフリをしていることで、何かになった気分でいる気恥ずかしさとか、読みながら所々でフタをしていた記憶が甦り、やめてーって転がりたくなる部分もありつつ、町で偶然懐かしい人に出くわした後のような気持ちの浮き立つ読後感がどのお話にもありました。きっと今の自分だって遠くなれば気恥ずかしさの塊なのだろうけれど、その時々でこのように切実であったことを思い出す。 物語の舞台は地方都市(作者の地元が富山だということなので富山がモデルなのかもしれません)という

     「ここは退屈迎えにきて」/山内マリコ - イチニクス遊覧日記
    murashit
    murashit 2012/10/15
  •  日記の日記 - イチニクス遊覧日記

    アンテナを見ていたら、また読みたいと思ってる人の日記が、再開して1日で終わっている事を知って残念に思った。その理由のひとつは、広告が出るようになっていたことのようなのだけど、それじゃあ自分は広告についてどう思うか、というと、やっぱり無い方がいいし、せめてもう少しサイズの工夫などあってもいいんじゃないのかなとは思うんだけど、まあそのくらいで、今のところはできれば同じところでつづける方を選びたいなと思っている。 なんで日記を書くのかと聞かれた時には「備忘録だけど人に見られるところに置くことによって緊張感が云々」などと答えてきたけど、そんなのはもう往生際が悪いかなという気もしていて、つまり同じところで続けたいと思うのも、やっぱり折角書いたら人に見て欲しいという気持ちがあるからだ。でもそれを意識して書こうとしたら、自分の場合はあっという間に続かなくなるだろうし、読まれたいと書きたいのちょうどいいバ

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  •  「羣青」下巻/中村珍 - イチニクス遊覧日記

    羣青 下 (IKKI COMIX) 作者: 中村珍出版社/メーカー: 小学館発売日: 2012/05/30メディア: コミック購入: 6人 クリック: 58回この商品を含むブログ (27件) を見る待ちに待った完結巻。じっくり時間をかけて読みました。疲れた。でも頭の中で開きっぱなしになっていた物語から、やっと目を離すことができると、ほっとしたりもした。 初めて「羣青」を読んだのはIKKI移籍前のこと。絵は迫力があるけどなんか暑苦しいし、主人公のひとりの「あーし」という一人称にもなんとなくなじめなかった。でも「あの2人はその後どうなったんだろう」ということをつい思い返してしまうような切実さがそこにはあって、連載が止まっている間にも気になっていたので、再開が決まったときはとても嬉しかったです。 物語の着地点はずっと決まっていたのだと思うけれど、読みながら2人が何をどう選ぶのかを予想しようとは思

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  •  「ぼくらのよあけ」1、2巻/今井哲也 - イチニクス遊覧日記

    ぼくらのよあけ(1) (アフタヌーンKC) 作者: 今井哲也出版社/メーカー: 講談社発売日: 2011/06/23メディア: コミック購入: 29人 クリック: 407回この商品を含むブログ (70件) を見るとてもよかったです。夏休みSFのわくわく感と切なさが詰まった作品だったと思う。 2010年の28年後から物語がはじまる世界は、オートボットという家庭用お手伝いロボットがいたり、学校の出欠も携帯端末のようなものでとっていたり「もの」は格段に進歩しつつも、人の生活は大きくは変わっていないように見える。子どもたちは「サブ」という、今でいう学校裏サイトのような場所で常時やりとりを続けていて、たぶん現代以上に同調圧力にさらされているように見える。 でもひとというのはいつの時代でも変わらないもので(というのはこの作品の中にも描かれているのだけど)、だからこそ子どもたちが出会い、挑戦するという夏

     「ぼくらのよあけ」1、2巻/今井哲也 - イチニクス遊覧日記
    murashit
    murashit 2011/12/27
    買おう買おうと思ってまだ買ってない。
  •  「トモちゃんはすごいブス」/森下裕美 - イチニクス遊覧日記

    トモちゃんはすごいブス(1) (アクションコミックス) 作者: 森下裕美出版社/メーカー: 双葉社発売日: 2011/09/28メディア: コミック購入: 5人 クリック: 25回この商品を含むブログ (13件) を見る父親を亡くして天涯孤独となり、生きる気力をなくしていた女の子「チコちゃん」のもとにやってきた不思議な女性「トモちゃん」。その2人の暮らしを描いたお話です。 チコちゃんは不器用で正直すぎるところがあるのですが、まっすぐでやさしいところもあり、物語はきっと、チコちゃんがいろんな人とふれあいながら、気力をとりもどしていく家庭を描いていくんだろうなと思います。そしてそのサポートをする存在がトモちゃん…という展開をしていきそうなのですが じゃあなんでこのタイトルなのかっていうのは謎の(というか今のところそこに意味はないように思える)ままなので、今後の展開でそこに意味があるならいいなあ

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  •  「女の穴」/ふみふみこ - イチニクス遊覧日記

    女の穴(リュウコミックス) 作者: ふみふみこ出版社/メーカー: 徳間書店発売日: 2011/09/13メディア: コミック購入: 13人 クリック: 304回この商品を含むブログ (44件) を見るすごく面白かったです。 帯には「えろ乙女ちっく」とありますがそこにちょっと、おすすめしたい相手を想定して言葉を追加するなら、えろ乙女ちっくSFという印象を受けました。 ひとつの学校を舞台に、3人の女の子たちのお話が収録された短篇集です。ごく普通の女の子たちなのだけど、それぞれに広がる背景は深い穴のように広がっていて、得体がしれないのだけど読み終えたときにはより魅力的に見える。彼女たちの「正体」は読んでみてのお楽しみですが、この作者の描く女の子たちが私はとても好きだと思いました。 特に、表情の描き方がいいです。何か大事なことを思う瞬間の無表情が、物語のテンポとしても重要な間になっていて、女の子の

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